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３月にすい臓がんの手術の手術を受け、闘病中だった本紙専属評論家の土井正三氏（６３）が
２７日午前、入院していた東京・板橋の帝京大病院を退院。「余命４ヶ月」との宣告から奇跡の
生還を果たした。がんはすべて摘出されており、リハビリも順調。最近では病院内をつえなしで
歩き回れるほどに回復していた。６月８日、Ｖ９戦士のイベントに出席し、衝撃のがん告白から
５１日。土井氏は晴れやかな笑顔で現在の心境を語った。
あのとき、手術を受けることができなければ今ごろ私はこの世にいなかったことだろう。晴れの
日を迎えた今日、３月に「余命４ヶ月」と宣告されたときのことを思い出す。
発見が困難で生還率が極めて低い「すい臓がん」と告知されたときはさすがに目の前が真っ暗
になった。しかも「レベル４」（レベル５が末期）の私の手術は難しく、ある病院では「メスを入れても
開けて閉じるだけになってしまう」と手術を断られた。そんな状態の私を引き受け、メスを入れて
くれた帝京大・高田忠敬教授はまさに「命の恩人」だ。高田教授をはじめ、私を担当してくれた
病院のスタッフの方々には本当に「感謝」の一語しか出てこない。
そして付きっきりで看病してくれた妻、自宅でしっかり留守を預かってくれた８９歳のおふくろ・・・。
家族たちの支えがなければ、こうしてこの日を迎えることはできなかっただろう。どれだけ感謝の
言葉を並べても、足りないぐらいだ。
また、入院中にはたくさんの方たちから激励を受けた。自分のリハビリでも大変なのに、長嶋さんや
王さんがわざわざ病室にまで駆けつけて「元気を出せ！」と逆に勇気づけられてしまった。
川上さんからは長い手紙をいただき、腹監督からも心温まるメッセージを送ってくれた。見舞いに
来てくれた知人から「今、顔を見ておかないと後悔すると思って」と言われたこともあったが、
どうやら６月８日のイベントで、私のやせ細った姿と「すい臓がん」という病名から「もう長くは
ないんじゃないか？」と思っていたそうだ。
>>2-以降に続く