07/07/05 17:13:35 9AdkaA94O
『1998年の日米野球で来日したサミー・ソーサから、松井はバッティングに関する
アドバイスをいくつか受けた。そのひとつに、「軸足で回転して打つ意識」とい
うものがあった。それ以来、松井は軸足で回転する意識を強く持って打つように
なった。これが問題なのである。確かにソーサは良い打者であり、アドバイスを
受けるのは間違いではない。だが、どんな競技であれ、スポーツ選手には頭で意
識している理屈と実際に表現している動きが異なっていることがある。
自分のバッティングを作り上げていく際には、「常にト
ップの位置を高く保とう」とか「捕手寄りの腕のヒジをうまく抜こう」などと何
か強く意識することは必要だ。
ソーサの場合は、それが「軸足で回転する意識を持って打とう」であった。とこ
ろが、意識の上では軸足回転でも、現実にはきれいに体の中心で回転しているのだ。
だから、ソーサが自分の打ち方を他人に説明する際には、自分の持っている意識
と実際の動きとのギャップまで伝えなければならない。私の想像では、その説明が不足していたのだろう。
松井は軸足で回転するという意識だけを強く持ちすぎたあまり、徐々にバッティ
ングの形を崩してしまった』