07/07/01 07:35:05 0
いきなり、「アウェーの洗礼」が待ち受けていた。日本を出て、ほぼ丸一日。長時間の
フライトで疲れ切っていた佑ちゃんを襲ったさらなる追い打ちは、まさかのロスト
バゲージ（荷物紛失）。スーツケースには、野球道具がたっぷりと入っている。
なければ、試合にならない。マウンドでは表情一つ変えないクールなスーパールーキーも、
さすがに動揺の色は隠せなかった。チームメートと談笑し、平静を装ったものの、
気をまぎらわすためか、シャドーピッチングを始めた。
長距離移動の所要時間は、乗り継ぎを含めて約２０時間。座席はスペースがあまり広くない
エコノミークラス。一見きゃしゃに見える佑ちゃんも、１７６センチ、７４キロの野球選手。
しかも、周囲をひと回りもふた回りも体格のいい先輩選手たちに囲まれ、移動は苦痛で
しかなかった。コロンビア空港ではテレビカメラ１２台を含む５０人以上の報道陣と現地の
日本人留学生らが出迎えたが、腰をさすりながら「疲れました。結構きつかったです。
寝不足？ グッスリ眠ったんですけど」と思わぬダメージに苦笑いするしかなかった。
それでも、手荷物受取所では１年生らしく、率先してチームのバッグをピックアップしていた。
だが、届いた荷物が少ない。物足りない思いを抱えたまま作業を終了したが、肝心の
自分自身のスーツケースがなかった。チーム関係者によると、預けた荷物は６０個程度。
そのうち、なんと約２０個が届かなかった。
斎藤のほかに荷物が届かなかったのは、東洋大・大場翔太（４年）、東海大・荒波翔（４年）、
早大・細山田武史（３年）ら主力クラスばかり。プロテクターなどキャッチャー道具一式もない。
野球どころじゃない。チーム内に緊張が走った。
その後、午後１０時４５分到着予定の最終便で届くことが確認され、選手団はパトカーに
先導される超ＶＩＰ待遇で空港を後にした。だが、荷物を乗せた最終便は激しい雷雨に
見舞われ、着陸目前で出発地ダラスへと逆戻り。最終的に荷物が空港に届いたのは、
３０日の午前２時半過ぎという混乱ぶりだった。
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