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最も好かれる日本人メジャーリーガーは、やっぱり松井
ロバート・ホワイティング「サクラと星条旗」
前回、最も嫌われる日本人を取り上げたので今回は、最も好かれる日本人メジャーリーガーは? の話題に移りたい。
このカテゴリーの候補者はいっぱいいる。
ホワイトソックスの井口資仁内野手は、堅実なプレーと性格のよさで評判がいい。
カージナルスの田口壮は、ファンや記者に愛想がいいし、昨年のプレーオフでタイムリーを放って、株をあげた。
もちろん、新人の松坂も春からボストンに大フィーバーを巻き起こしている。
しかし、このカテゴリーで断然トップに立つのはこの男、松井秀喜だ。
彼は北米で最も情け容赦ないファンの前でプレーをしている。ヤンキースタジアムでのデビュー戦で
満塁本塁打を放ったあと、極度のスランプに陥った。ツー・シームを全く打てなかったのだ。
5月に入ると、打率を2割を切り、二塁へのゴロの山を築き「4―3」(二塁から一塁へ)の
ニックネームがついた(日本ではゴロキングだった)。
高給取りの新人。松井以外の選手だったら、とっくに見放されていたところだが、
松井のあのストイックなまでの態度、“常にベストを尽くす姿勢”に、ファンは彼をサポートし続けた。
また、ニューヨークのマスコミも、秀喜の『親切』を忘れていなかった。彼が、最初の年の春のキャンプで
番記者を食事に招待したことだ。ヤンキースの長い歴史の中でも初めて。
しかも松井は、食事の終わりに、彼が所蔵していたアダルトビデオを番記者たちにプレゼントしたのだった。
そのこともあって、松井を攻撃する時期がきたときもあのニューヨークのマスコミは比較的静かに松井を見守った。
松井はこうしたニューヨークマスコミの好意に答え、試合で最も価値のある選手に成長していった。
ヤンキースを中継するYESのアナウンサーは「打点マシン」と松井を表現した。
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