07/06/25 07:00:25 0
故黒澤明監督(享年88)の映画「天国と地獄」が1963年の公開から44年を経て
初めてリメークされる。テレビ朝日が今秋放送予定でドラマ化する。
映画「愛の流刑地」の鶴橋康夫監督が脚本・監督を務め、佐藤浩市(46)阿部寛(43)
鈴木京香(39)らが出演。登場人物はオリジナルとほぼ同じだが、時代設定は21世紀に、
舞台も横浜から北海道小樽市に移す。
「天国と地獄」は身代金目的の誘拐を描いたサスペンス。靴メーカーの重役の子供と
間違われ、運転手の子供が誘拐される。重役は全財産を投げ出して身代金を肩代わり。
子供を取り戻すが、犯人は金を奪い逃走。警察は威信を懸けて捜査する物語。
全編、息の詰まる展開で、特急からの身代金受け渡しシーンは有名。今回も実際の
特急を使って再現する。
人間ドラマとしての評価も高い。犯人の動機は、重役が住む高台の豪邸を下町から
見上げるうちに募らせた憎悪。高度経済成長が始まり、徐々に貧富の差がつき始めた
当時だけでなく、現代につながるテーマも描いている。
鶴橋監督は、格差社会と言われる現代にこそリメークするべき作品と強調。
「お互い上を見たり下を見たりしているが、結局みんな一緒。財産を失った重役も逮捕された
犯人も本当は同じ場所に立っていたんだと思う」と主張した。
鶴橋版では時代設定と舞台を変えるほか、監督お得意の男と女の色気を醸し出した演出も加味。
黒澤版にはない、誘拐された子供が共犯者の女性に恋心を抱くエピソードも盛り込まれる。
撮影は今月11日に小樽で始まり、7月上旬にクランクアップ予定。故三船敏郎さんが務めた
重役を演じる佐藤は映画を見直し、当時の台本を読んでから撮影に臨み「リメークへの重圧は
感じていない。(役に)現代風のもろさを加えたい」と抱負。仲代達矢(74)が演じた刑事役の
阿部は「刑事役はほとんどやったことがなかった。目の芝居、心の通じる芝居を頑張りたい」
と意気込んでいる。
ソースはURLリンク(www.sponichi.co.jp)
「天国と地獄」のリメークで熱演する左から鈴木京香、佐藤浩市、阿部寛
URLリンク(www.sponichi.co.jp)