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雨で外出がおっくうな日は自宅で良質の映画を見たいもの。どうせなら、ふだん
手を出せない社会派映画を選んでみてはいかがか。というわけで映画エッセイストの
島敏光氏にオススメの埋もれた名作を解説してもらった。
●黒澤監督も評価した独立映画
とくにオススメなのは1950年以降のアルジェリア独立運動を描いた「アルジェの戦い」。
ドキュメンタリータッチの作品で、有名な俳優はひとりも出てこない。
代わりに実際に独立運動を経験したアルジェリア市民が8万人も出演している。
「黒沢明監督も高く評価した名作で、戦闘シーンよりも街の人々のリアルな心理描写が見どころ。
ベネチア国際映画祭で上映された際、アルジェリアを支配していたフランスの聴衆から
大ブーイングが起きたという、いわくつきの作品です」
そのベネチア国際映画祭で、この映画は金獅子賞を受賞している。
一方、米国の社会問題に切り込むのは「ブルワース」。大統領選に立候補した主人公が
支持を得られずやけっぱちになり、黒人問題などについて演説で本音をぶちまけてしまうという筋立てだ。
「主人公は石原慎太郎都知事を100倍辛辣(しんらつ)にしたようなもの。
それでいて人柄がすがすがしく、見ていて好感を持てる。
若き日のアカデミー賞女優ハル・ベリーのギャル姿が拝めるという楽しみもあります」
「シビル・アクション」はジョン・トラボルタ演じる弁護士が、大手化学会社が起こした
河川汚染事故の被害住民の弁護につくというストーリー。もともと多額の和解金が
目当てだった金満弁護士が、いつしか正義に目覚めるというA級の人間ドラマだ。
●中高生の深刻な実態に迫る2作
「バウンスkoGALS」はブルセラや援助交際など90年代の女子高生の風俗を描いた作品。
「このタイトルからあまり魅力を感じなかったのですが、評論家仲間に勧められて見てビックリ。
女子高生の心意気と大人のいやらしさをビビッドに描いた思いがけない名作でした」
女子高生の周囲に登場する大人たちは、役所広司や桃井かおりといった実力派が演じている。
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