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大阪桐蔭・中田翔投手(3年)が17日、三重県高野連主催の招待試合(くまのスタジアム)に出場した。
1試合目の愛工大名電(愛知)戦は「4番・投手」として4打数1安打。投げては9回を、4安打2失点と
好投した。愛工大名電の“中田シフト”にリズムを狂わされたのか、本塁打はなし。2試合目の
近大高専(三重)戦では「4番・右翼」で2打数1安打も、一発は出なかった。
世界遺産の熊野古道を参拝する「熊野詣で」ならぬ「中田詣で」に訪れた観客は、3500人を超えた。
高校通算85本目のアーチこそ生まれなかったがこの試合、球史に残る“事件”が起きた。
時計の針が、正午を指す直前。二回の第1打席。中田が先頭打者として打席に向かうと、愛工大名電・
二塁手の脇山が左中間フェンス前まで移動し、グラブを構えた。外野手が4人-。もちろん、守備位置を
間違えたわけではない。
愛工大名電・倉野監督が解説する。「昔の“王シフト”ってありますよね。(中田は)あれだけの選手。
普通では抑えきれないから。捨て身の戦法ですよ」-。
王シフトとは、868本の本塁打を放ち「世界の王」と称される、王貞治(現ソフトバンク監督)を打ち取るため、
相手チームが用いた戦法。守備陣を極端に右方向に集め、引っ張ることが多い打撃に対応したが、
それでも外野手4人のシフトはなかった。
結果的には遊失策と三直に倒れ、シフトを敷かれた2打席で結果を残すことはできなかった。だが、八回に
左前へ適時打を放ち、2試合目にも2点適時打と好調を維持する中田は、冗談交じりにこう振り返った。
「(シフトは)気付かなかったです。なんかライトが寄ってるなぁとは思ったんですけど…。結果もでてないのに、
なにもそこまでしなくても」
本塁打こそでなかったが、調子は悪くない。周囲を笑わせる余裕もある。「注目されるのは、うれしいんです」。
西武の大島(埼玉栄)が持つ歴代本塁打記録まで、残りあと「2」本は変わらなかったが、のしかかる重圧を
力に変え、中田は前へと進んでいく。
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