07/05/31 11:21:55 0
試合前、楽天の「背番号３７」がスルスルッと走り寄ったのは、谷繁のところだった。２２歳の嶋基宏。
岐阜県出身のルーキー捕手だ。球歴は中京大中京高（愛知）から東都リーグの国学院大。
接点はなさそうに見えるが、谷繁との遭遇は、大学時代にある。
「とにかくシブいっす」と嶋が谷繁を見る目は完全にハートマーク。入団時のアンケートでも
「尊敬する選手は？」に「谷繁さん」と即答している。実は横浜市の自宅に近いことから、
谷繁は毎年、国学院大のグラウンドを自主トレ場所として使用している。
昨年まで、嶋は国学院大でプレー。その背中を目で追っているうちに、すっかり魅了されたというわけだ。
実戦では谷繁から譲り受けたミットを使用。「独特のクセがあって、むちゃくちゃ難しいっす。
でも、だいぶ慣れてきました」。難易度が高いとされる谷繁のミットを自在に使いこなせるようになることが、
嶋にとっては正捕手へのステップ。コーチから渡されているキャッチングの教材ＤＶＤも谷繁のプレー集だという。
「おまえ、マジメにやってんのか？ やってねえんだろ」と嶋のあいさつに軽くジャブで返した谷繁だが、
それも嶋の素材を認めていればこそなのだ。
「取り組む姿勢というか、野球に対して貪欲（どんよく）なんですよね。
たとえばきょう言ったことがあるとして、次に会ったときにはそれを生かそうとした跡が見えるんです」
謙虚であること。向上心をもつこと。どちらも進歩の原動力となる。
楽天の本拠地、杜（もり）の都・仙台からやって来た直弟子との２カ月ぶりの再会。
谷繁にとってもいい刺激剤となったはずだ。
URLﾘﾝｸ(www.chunichi.co.jp)