07/05/29 08:40:14 0
タメ息とカラ元気の間に「怒り」が入った。解説者という立場すら忘れてしまう。
マイクの前、星野SDが感情をさらけ出した。
「こんな試合展開をしていたらダメ。もっと熱いモノを見せきゃダメ。これじゃあ、客が減るど。
お客さんを途中で帰すというのはあってはならない。屈辱ですよ。体が動かないときもある。
でも、ファンに感謝の気持ちを忘れてはいけませんよ」
六回だ。先発・福原が青野に満塁弾を浴びるなど一気に7点を失った。「公平中立」のNHK。
しかも海外にも流れる衛星放送で、掟破りの“火の玉節”が炸裂した。
二回に先制を許し、五回には無死二、三塁のチャンス。一死から赤星が一ゴロに倒れると
「フーッ…」とため息。終盤、まばらなスタンドを見ながら「まずは1点を取ろうよ。つなぎを
思いださなきゃダメ」-。わざと声のトーンを上げてもゼロは続いた。むなしさが募るばかりだった。
甲子園球場に向かう前に、大阪・野田の電鉄本社を訪れた。宮崎恒彰オーナー(64)への
定例の報告会。「オーナー、機嫌悪かったよ」。闘将も同じ思いだった。
08年北京五輪出場を目指す野球の日本代表監督に就任し、時間が許す限りテレビ中継を
見るようになった。画面の中、ベンチのナインの姿が気になって仕方がない。背もたれから、
背中が離れての前傾姿勢。そんな、いつでも飛び出せる緊張感がない。
「どうやって点を取るか。ベンチワークなんです」。打線よりも作戦。打順を入れ替える前に、
こういうときこそ、岡田監督がさい配で選手を動かせるべき。それが言いたかった。
ドロ沼の4連敗。試合後、指揮官は言葉を発しなかった。“主”を失った会見場のプレスルームに
星野SDが姿を見せた。
「まだ借金7やないか。“まだ”や。調子を取り戻したら、取り返せる数字や。選手にハッパを
かけたり、工夫をせんとね」。
これ以上言えばグチになる。だからタバコをくわえた。
「(SDという)微妙な立場だからな」。憤りをぶつけた放送席とは好対照。複雑な笑みを浮かべた。
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