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スペインのマルカ紙に掲載された一本のコラムが、イングランドサッカー関係者の間で波紋を呼んでいる。
寄稿したのは元アルゼンチン代表のホルヘ・バルダーノ。ギャラクティコ時代のレアル・マドリーでGMも
務めていた彼は、CL準決勝、チェルシー対リバプール戦をこう酷評したのである。
「狂ったように盛り上がっているスタジアムの真ん中で、クソのようなサッカーをする。そして、それを
芸術だなどと呼ぶ人々がいる。チェルシーとリバプールは、(現在の)サッカーが向かっている方向を最も
はっきりと、誇張された形で示している。非常にテンションが高く、組織的で、戦術的で、フィジカルで、
ダイレクトなサッカーだ。だがショートパスは?フェイントは?緩急は?ワンツーは?股抜きは?ヒールキックは?
そんなものはまったくない。両チームが準決勝でやったような、極限までコントロールされた厳粛なサッカーは、
創造性やテクニックをすべて中和してしまう。
ドログバが第1戦のベストプレイヤーだったとすれば、それは単に彼が一番速く走り、一番高く飛び、
一番強烈に相手の選手に激突していたからだ。サッカーがチェルシーやリバプールが志向しているような
方向に進んでいくのなら、クレバーなプレーや才能といったものに別れを告げる準備をした方がいい。
ベニテスとモウリーニョがこんなサッカーをしているのは、どちらも選手として大成せず、選手の才能を
信じていないからだ」
批判もここまで露骨だと逆に笑ってしまうが、バルダーノの指摘が一面の真実をついているのは事実だ。
リバプールの勝利に終わったCL準決勝。ファーストレグはたしかに退屈だった。組み合わせのせいで
CL特有のスペシャル感もなかったし、さしたる見所もなかった。これに比べればセカンドレグは
ずいぶん盛り上がったが、サッカーの内容に関して言えば実はファーストレグとあまり差はない。
守備を固め、中盤を支配し、カウンターでチャンスを狙う。対戦相手のアドバンテージを極小化して、
自分たちの強みを最大限に活かす。徹底した合理主義、非情なまでのリアリズムは第2戦でも貫かれていた。
>>2-10に続く
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