07/04/20 12:52:37 0
試合終了直後、一塁ベンチを出たらペティットが「おめでとう」と肩をたたいてくれた。
引き揚げてくるチームメートも祝福してくれた。カノがウイニングボールを手渡してくれた。
3試合目の初勝利-。メジャーリーガーとして第一歩を踏み出せた。どこで勝っても
うれしいけど、ホームで勝てたのは格別だ。
「苦しい経験をしてきてよかったなあ」と今は、そう思える。阪神での9年間がなかったら、
この日は迎えられなかったかもしれない。特に思うような投球ができなかった2005年に
味わった悔しさが、自分にとって前を向く原動力になっている。
完封しても完投しても、阪神ファンからヤジられるツラい時期だった。1失点、いやヒット
1本でも文句を言われた。抑えたら…ではなく、(打たれて)降板すると拍手された。
「調子に乗るな」「ふざけんな」「やめちまえ」。あらゆる罵声(ばせい)を浴びせられ、
精神的にどん底に陥ったこともあった。
それでも耐えられたのは、プロ入り後に膨らんだ“メジャーで投げたい”という夢が
あったからだ。「応援されていないチームで、なぜ投げているのか」と自問自答している
うちに「メジャーに行きたいなら集中して投げろ」と自分に言い聞かせて試合に臨むように
なった。「井川はいい投手だったな、と後悔させてやろう」と心に誓うようになって、
悩みが消え、吹っ切れた。
当時に比べたら、ヤンキースタジアムでのデビュー戦(7失点した7日のオリオールズ戦)
で受けたブーイングはまったく気にならなかった。英語はまだよく聞き取れないから、
どんなヤジを飛ばされているか分からない。この点だけは、英語ができなくてよかった
ことかもしれない。
(>>2につづく)
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