07/04/16 13:51:10 0
◆巨人9―0ヤクルト(15日、東京ドーム) 約束を果たす瞬間だった。お立ち台で、阿部は
力の限り叫んだ。「チェゴギダーッ!」韓国語で「最高で~すっ」に、スタンドが揺れた。
歓喜の儀式を行うにふさわしい一撃だった。3回、李の2ランなどで3点を奪い、なおも
1死一塁。阿部は増渕の初球、速球を右翼席上段まで運んだ。「この1本をきっかけに
していければいい」開幕から15試合目での1号2ラン。直前に兄貴分の李のアーチを見て、
燃えた。
お立ち台で、互いの言葉で「最高です」と叫ぶこと―宮崎キャンプ中のある日、阿部と
李は約束した。李は2号を放った6日の阪神戦で「サイコウデ~ス」と、一足早く約束を
果たした。次は阿部の番だった。
高卒ルーキーに一挙、7点の今季初のビッグイニングという洗礼を浴びせた。高橋由の
死球、谷の送りバントの後、小笠原の中前適時打で1点。その後、李の3号2ラン、阿部2ラン、
ホリンズにも来日1号の2ランが飛び出して、勝負を決めた。原監督は「送りバントでアウトを
一つあげたのに、ビッグイニング。野球の妙だね」と打線をたたえた。
キャプテンと4番打者は昨季、不調に苦しむ李に、阿部が手紙を送った日から友情が
深まった。今、阿部は本塁打を打つための願かけに、フリー打撃で李のバットを使っている。
韓国語も少しずつ学んでいる。一方、李は日本語が得意な松静夫人から日々、勉強を重ね
ている。そんな中、昨年5月5日、同じヤクルト戦(東京ドーム)以来のアベック弾が生まれた。
試合直後のトレーナールームで、マッサージを受けている時、李はフィールドから響いてくる
歓声を聞いた。「何があったの?」数分後、こう伝えられた。「阿部が『チェゴー』って言った
みたいだよ」最高に胸が震えた。
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