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「演出の範囲」という言葉は、90年代に人気を博し、多くのやらせ疑惑がとりざたされた
バラエティー「進め!電波少年」で世間に広まった。
桧山珠美さんは「電波少年の演出を知ってから、私はテレビに冷めていったが、今回の件も納得できない。
いまは見ている人とテレビ局側の温度が違う気がする。文句を言われたからとりあえず謝る
という態度がありあり」といい、検証番組を作ってほしいという。
青木るえかさんは「人間!」でのTBSのおわびについて、「あんな番組つくってるんだから
おわびもあんなもんでしょう」。問題になった回の内容の貧弱ぶりには驚いたという。
「登場するネタはキワモノばかりで、スタジオの芸能人の反応も、驚いてみせりゃいい、というノリ。
相当にレベルが低い、しかし俗悪に徹するという気概もない“ぬるい番組”」と断じる。
一方、「テレビ局のおわびがむなしく響くのは、具体策がなく口先だけだから」と語るのは
元TBS社員で『視聴者が動いた 巨大NHKがなくなる』の著者、田原茂行さん。
「テレビ局が編集権を自分だけの自由と考えるのは根本的な間違い。その反省を具体化する
自己検証番組を放送すべきだ」という。放送局の制作現場にいる中堅社員は「やらせと演出の線引きは
制作者個人によって違うので判断しにくい。“これはやらない”と決めたことはいつも自分で強く意識しなければ、
テレビの現場には“演出”の誘惑がたくさんあり、すぐに流される」と現場の危うさを指摘している。
今年に入って問題になった主な番組
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