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こうなると、あの男が黙っていられない。猪木は「大みそかにヌルヌルで無効試合は
お粗末だね」としながら、「(秋山は)みんなが期待していただけに、ダメージが大きい。
ただ、今からアブラをとって試合をするわけにもいかないだろ。大切なのは今後どう処理
するかだ。ルールにのっとって勝負するべきだ。再戦もいいんじゃないか」と秋山に
みそぎマッチ出陣を提案した。
昨年からプロレス、格闘界から一線を引いていた猪木がこの問題に口を開いたのは、
秋山を高く評価していたからだ。「格闘家に上品ぶった姿勢はいらない。彼には
ハングリーさがあるうえに、『ケンカなんだからぶっ飛ばしてやる』というキャラクターが
ある」と、燃える闘魂好みの格闘家だった。
それだけに、いつまでも批判の嵐にさらすわけにはいかない。一刻も早くリングに上がり、
実力を証明しろというのだ。現役時代から数々のスキャンダルを報道され、世間から
袋叩きにあってきた猪木の言葉には妙な説得力がある。
さらに猪木は、「LYOTOが大みそかの試合を見て怒ってるらしい。起こるタイプじゃ
ないのにな。要は(秋山より)自分の方が強いってことだ。それで“オレがぶっとばして
やる”とメッセージを送ってきた」と明かす。
LYOTOは猪木の秘蔵っ子で、デビュー以来無敗を続けている。そんな実力派の
闘魂遺伝子が秋山のみそぎマッチの相手に立候補した。これを受けて猪木は、
秋山対LYOTO戦の実現をK-1側に働きかけるという。
猪木流の「逆転の発想」はこれだけにとどまらない「LYOTOとやるなら、巌流島はどうだ?
南極でもいいぞ。オレが立会い人になってやる!」。世間の好奇にさらされてる今こそ、
こんな仰天マッチを生かして立ち上がれというのだ。「オレも(タイガー・ジェット)シンと
オイルを塗って戦ったことがある。インドではそれが普通なんだ。フフフッ。若いうちから
いい戦いをしないと早く“老いる”ぞ」と、猪木は闘魂節を秋山に送る。
2000年から大みそかに猪木祭りを開催、猪木は年末の格闘技決戦を定着させてきた。
シャレや冗談ではない。リングの汚名はリングで。
マット界のカリスマは、今回に対する“着地点”を本気で探している。
(東京スポーツ 1月17日(水)販売号より)