07/11/05 09:33:07
◇小学生が「会社経営」 お金の大切さ 授業で実感 越谷・平方小
越谷市平方。国道4号のバイパスが大落古利根川を渡る直前、左手の田んぼの中に越谷市立
平方小学校がある。ここで六年生の三クラス百十一人が計九つの「会社経営」に取り組んでいる。
県の「未来の起業家育成事業」に応募して当選。十、十一月の総合学習の授業として実施している。
どんなものか。六年三組を訪ねてみた。子どもたちは「自分が買いたくない変な物は作りません。
売りません」と言う。堅実な経営ぶりにびっくりした。
■銀行は渋かった
クラスが三グループに分かれ、三つの会社を開業。PTA役員らの模擬銀行が原料代を融資して
くれた。事業を説明するプレゼンテーションでは、銀行からけっこう厳しい質問が出た。
「売れ残ったらどうするの、とか。汗を流して稼ぐ、お金の大切さを分かってもらいたかった。
あえて厳しくやりました」と、PTA会長の前田さん(47)。
「サンタの家」の社員は十二人。布に綿を入れ、手のひらに乗る小さなクリスマスツリーが目玉商品。
「小さいから自分の部屋に飾れます」と、社長の久保さん。松ぼっくりのクリスマスツリーや、残り紙
で作ったクリスマスカードも売る。
「女の子の社員が七人もいるのが製造の強み。利益は高いけど、お金は掛けてない。
銀行に返さないといけないので苦労しました」
■製品検査は厳しく
「モカ・ベル雑貨店」は腕に巻くミサンガ、ジャムなどの小瓶の小物入れ、ヘアゴムを作る。
社員は女子ばかり十三人。社長の大津さんは「うちでは製造マネジャーがとても厳しく製品を
チェックしてます」。「短かったり、ゴムがすぐ外れたり、自分だったら買わないようなものは駄目だよ」
と、マネジャ―の碓井さん。
高橋さんのおばあちゃんが昔は毛糸屋さんで、毛糸や刺しゅう糸をいっぱいくれたことも、
大きな助け舟になった。「銀行から五千円借りたけど、まだ三千円も残っている」
■基本は営業
「松本プラバン会社」は、オーブントースターで加熱すると縮まって固まるプラスチック板を使った
キーホルダーで勝負する。
「お客に好きな絵を描いてもらい、オリジナルの製品ができるのが売りです」と、社長の松本君。
社員は男子ばかり十二人。
「朝の登校班で、これ、いいだろって、下級生に営業をかけます。バッチリ売れると思う」
と松本君が言った。
【メモ】子どもたちの会社に、有形無形の助け舟を出していたのが担任の山田教諭。「子どもたちを
見直した。生き生きと取り組んでいる」と言う。10日の土曜日、学校でバザーを開き、子どもたちの
会社の製品が並ぶ。会社経営のヤマ場だ。
※氏名の一部を省略し引用いたしました。
Web埼玉 2007年11月4日(日)
URLリンク(www.saitama-np.co.jp)
画像:「会社」の製品を手に、6年3組のみんな=越谷市立平方小学校
URLリンク(www.saitama-np.co.jp)