07/10/30 22:46:40
木曽郡南木曽町蘭(あららぎ)に伝わる、背中と腰だけを覆う防寒具「ねこ」が人気を集めて
いる。綿入れのような素朴さに加え、手元が楽な実用性が受け、静岡県で漁に携わる女性や
米国からも注文が来た。手掛ける吉村早苗さん(50)は「しっかりした作りで暖かく、手軽に
使えるのが人気の理由ではないか」と話している。
蘭地区には、県の伝統工芸品に指定されている「蘭桧笠(ひのきがさ)」がある。竹を笠に
編み上げる作業は冬の農閑期に多く、厳しい冷え込み対策として身に着けたのがねこだった。
手を動かしやすい、袖なしスタイルが考案された。
桧笠は江戸時代から歴史があるものの、ねこは定かでない。近所の主婦らと一冬に数百着は
作る吉村さんも「町内出身だけれど、ねこを知ったのは結婚して蘭に来てから」と振り返る。
15年ほど前から、地元のろくろ細工の店や妻籠宿、ホテルの売店、大桑村の道の駅などに
出荷したところ、ここ数年売れ行きが伸びている。
観光土産に購入した人が追加で求めたり、口コミで知った人が注文したりする例が多く、
ほぼ全国に広がる。5年ほど前には、静岡県で漁業にかかわる女性が「周囲からも欲しが
られたので」と10枚まとめて注文してきた。昨年はインターネットで紹介され、米国へも送ったという。
吉村さんは、特に女性は台所などの水仕事でもぬれるのを気にせず背中を保温できる点を
評価しているとみる。「薄手に」と特注し、腰部分をズボンの中に入れて着る男性もいる。
親子のそろいや、赤ちゃん用をかわいらしく作ることもある。値段は大きさでばらつきがあるが、
女性用は3000円程度だ。
吉村さんは「地元で親しんでいる物が特産品になればうれしい」と期待する。
問い合わせは町観光協会(電話:ソースでご確認ください)へ。
信濃毎日新聞 10月30日(火)
URLリンク(www.shinmai.co.jp)
画像:色とりどりの「ねこ」を見せる吉村さん(右)。柄や大きさは柔軟に対応できる
URLリンク(www.shinmai.co.jp)