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テレビで世界一、半導体や携帯電話などでも世界首位をうかがうサムスン電子が、
家電販売で日本撤退を余儀なくされたのは、「世界一、厳しい目を持つ消費者」(海外メーカー)の
選別を受ける日本市場の壁を崩せなかったためだ。
ただ、一方で欧米に加え、新興国で日本メーカーを凌駕(りょうが)するサムスンの“退場”は、
多数のメーカーがひしめき、過当競争を繰り広げる日本市場の現状を浮き彫りにしたともいえる。
「日本は特に繊細なブランド戦略が求められる市場」。
外資系メーカーの多くが、こう口をそろえる。
サムスンの薄型テレビは、「性能的には日本製に遜色(そんしょく)ない」(国内大手)。
液晶とプラズマの両方式の世界シェアでトップグループに位置し、
薄型ディスプレーの技術開発でも世界の先端を行く。
販売価格も日本メーカー製よりも総じて安い。
ある日本メーカー関係者は「あと数万円出せば日本製が買えるという消費者心理が影響している。
かつての安売り攻勢で、根付いてしまった“安かろう悪かろう”というイメージも払拭(ふっしょく)できなかった」
と解説する。
品質的に遜色がく、価格が安いにもかかわらず、サムスンが日本市場の壁を崩せなかったのは、
“メード・イン・ジャパン神話”が残る日本市場の特殊性が一因ともいえそうだ。
韓国勢は、米国で販売拡大を続ける現代自動車の「ヒュンダイ」ブランドも日本では苦戦している。
製造業でサムスンと双璧(そうへき)をなすLG電子も、
海外で話題となった斬新なデザインの携帯電話を日本に投入し、市場拡大に挑んでいる途上だ。
だが、世界市場に目を転じれば景色は一変する。
サムスンが周到な準備で参入した欧米では、
現地のニーズに合った色彩や表面加工をほどこした製品を投入したこともあり、
“一流”ブランドとして認知され、シェア拡大を続けている。
サムスンと互角の争いを演じられるのはソニーなどごく一部にとどまり、
少なくない日本メーカーが「国際競争力」という点で太刀打ちできなくなっている。
サムスンは日本市場に早々に見切りを付けたが、
日本メーカーは世界市場で新興勢力の追撃を受け、国内では再編に立ち後れ、
体力消耗戦の過当競争を続けているのが実情だ。
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