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ジェットコースター「惨劇」を招いた「社長の素顔」
ガタガタという異常な摩擦音と、乗客の悲鳴が園内に響き渡った。その直後、
「剥げた塗装がキラキラと光りながら舞い落ちてきました。同時にこぶし大の部品の
ような物が落下したのです」(付近にいた女性客)
ゴールデンウィーク真っ只中の今月5日白昼、惨劇の舞台となったのは、
大阪府吹田市の万国博記念公園内にある遊園地「エキスポランド」である。
事故は同遊園地の立ち乗り型ジェットコースター『風神雷神II』で起きた。
「発生は午後0時48分頃。その直後に“女性が乗り物に挟まれて動かない”という
複数の通報が寄せられました」(捜査関係者)
6両編成の車両の2両目部分の車軸が折れ、進行方向左側に倒れ込んでいた。
「その衝撃で2両目の前列左側に乗っていた女性客は、緊急避難通路の鉄柵に激突。
頭部は切断され、地面に落下していた」(同)
死亡したのは滋賀県在住の小河原良乃さん(19)。真後ろに乗っていた
古川小百合さん(20)も重傷を負い、死者1名、負傷者19名という大惨事となった
のである。
「横転した車両の後ろの乗客同士が、震えながらお互いの手を握り合っているのが
見えました。現場近くにいたお客からも叫び声が上がっていた」(男性客)
同園では、毎年1月から2月にかけてコースターの解体検査を実施しているが、
今年は連休明けに点検を行う予定だった。折れた車軸は92年の運行開始から
一度も交換されておらず、金属疲労の可能性が高い。直前の運行で異常な揺れを
“体感”していた乗客もいる。国内の遊園地で営業中に死亡事故が起きたのは
初めてのことだ。
“観覧車の父”
エキスポランドは、70年に開催された大阪万博の跡地利用の一環として開園し、
今年の3月に35周年を迎えたばかりだった。
同園の社長で、事故当夜に謝罪会見を行った山田三郎氏(77)は、
全日本遊園施設協会の会長も務め、業界では一目置かれる存在である。
「山田社長は、昭和33年に遊園地の企画開発を行う泉陽興業という会社を設立し、
国内外の遊園地に数多くのアトラクションを提供しています。葛西臨海公園の
大観覧車や、よこはまコスモワールドの世界最大級の時計型観覧車も同社の手に
よるもの。日本における“観覧車の父”とまで呼ばれる人物です。72年の開園時から
エキスポランドの社長も務めています」(業界関係者)
ワンマン社長として会社を牽引してきた山田社長は、政界との繋がりも強い。
「岸信介内閣に文相として入閣し、衆院議長まで務めた故・松田竹千代の甥に当たる。
伯父の秘書経験もあり、後藤田正晴元官房長官や中曽根康弘元総理とは、
非常に親しい間柄です」(政治部記者)
一方、社長自身が事件に巻き込まれた過去もある。
長年の知人によれば、
「今から15年前に、堺市にある山田社長の自宅に、銃弾が撃ち込まれたことがあった。
遊園地の開業に当たっては地元との折衝が付き物で、調整が難航することも多い。
謂れのない脅しにあったのだと思うが」
また、遊園地の安全管理を重視する面もあった。
「10年ほど前にアメリカの遊園地でジェットコースターが事故を起こしたときなど、
自社製品ではないのに社員を派遣して原因の研究に当たらせていた。
それだけに15年間も部品を換えなかったと聞いて驚きました」(同)
だが、同園では回転式アトラクションが空中で停止する事故が過去に2度もあり、
管理体制の甘さは看過できない。名誉ある異名も地に落ちたのである。
週刊新潮 TEMPO
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