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乳ガンを患った女性が、治療を受けるお金がなく、漢方医に処方してもらった民間薬を乳房に塗ったところ、
その乳房が破裂するという事故がありました。
女性は、紅河州元陽県に住む陳樹奔さん(33歳)。
昨年7月、陳さんは右乳に張りを感じ、小さなしこりを見つけました。
しかし当時懐妊したばかりだった彼女は、これを妊娠時の生理のひとつと思いこみ、
そのままだましだまし我慢していたそうです。
さて予定日の今年3月20日。
村の診療所で出産は無事果たしましたが、とりあげた医者がおどろくほど、
左右の乳房の大きさがちがっていました。
赤く腫れ上がった右のおっぱいはカチカチに固く、
彼女に症状を訊いた医者は、腫瘍ができていることを告げ、乳房を切除する必要があると説きます。
これを聞いた陳さんはその場で泣き出しました。
「子供を産んだばかりでお金がみんな出ていっちゃったのに、これ以上どうしろっていうの」
陳樹奔さんの家は極貧家庭で、現地政府からも援助がないこともないのですが、
いかんせん診療所にしても農村部。
手術をするとしても機材がなく、帝王切開で彼女の子供をとりあげた診療所も
それ以上の治療はできませんでした。
出産後、子供のためにも手術費を捻出しようと誓った陳さんは、
まもなく建築現場に職を求め、働きにでます。
生んだばかりの子供と顔をあわせる時間もあまりとれずに
産後まもない肉体を酷使する陳さんを不憫に思ったのは、村の漢方医でした。
うちの薬なら無償でいいからと彼女に手渡した民間薬。
陳さんはこれに歓び、さっそくもらった薬を腫れ上がった胸に塗ったそうです。
ところが塗ったそばからおっぱいに熱を感じたという陳さん。
翌日になると疼痛が止まず、熱くなった乳房からはぷんと膿んだような臭いが漂います。
陳さんはまたしてもこれを薬効と考え、薬を乳房に塗りつけました。
三日目。陳さんの乳房は破裂しました。
鮮血とともに大量の膿が飛び散り、猛烈な臭気のなかで爛れた組織が床にこぼれ落ちます。
夫が陳さんの胸にさらしを巻いて血はなんとか止まりましたが、
痛みでのたうちながら病院には行きません。診察代がないのです。
話を伝え聞いた元陽県の婦人連合会が陳さん宅を訪れました。
放っておける状態ではありません。
関連部署と連絡をとり、雲南省紅会醫院(中国の赤十字病院)に陳さんを搬送しましたが、
乳房が破裂してすでに三日を迎える陳さんの容態は楽観を許さず、
切除すれば治ったものの破裂した後では、
壊死した組織を取り除きつつ、エックス線照射で殺菌、消炎して転移を防いでいるといった状況だそうです。
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