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1980年代に市場を賑わせ、10年あまりで消滅したパソコンの共通規格MSX。往年の
コンピューターファンやゲームマニアには懐かしい響きだろう。そのMSXが復活し、
新型機が販売されている。背景を探ると、膨大なMSX用ソフトを守ろうとするファンの
熱意や、コンピューターを学ぶ入門機としての再評価が復活の原動力になっていた。
21世紀のMSX機として登場したのは、ゲームソフト販売・配信のD4エンタープライズが
製品化した「1チップMSX」。より高性能なMSX2規格対応で、価格は2万790円(税込み)。
昨年11月に5000台限定で発売され、すでに4000台以上が出荷された。
最新技術で主要な演算回路を1つの半導体チップに収め小型化したほか、外部記憶媒体に
SDカードを採用。インターネット接続機能は搭載していないが、SDカードを用いて他の
パソコンなどからデータを移植できるため、利便性が大きく高まった。
MSX復活までには、長い道のりがあった。
MSX専門誌が休刊となった平成7年、ユーザーが企画したMSXイベントが東京で開催
されたのをきっかけに、これまで各地でファンの集いが繰り返し開かれてきた。
12年には、アスキー創業者でMSX規格の生みの親でもある西和彦氏が、最新の
パソコン上でMSXのシステムを稼働させる公式ソフトウエアの開発を発表。プロジェクトは
ファンを巻き込んで進められ、MSXに関する商標や版権を継承する「MSXアソシエーション」
が設立された。
さらに、ファンの要望の高まりを受けて、アスキーがMSXパソコンの復活を検討。目標の
予約数に達しなかったため製品化は見送られたが、その構想を受け継いだD4社が実現に
こぎつけた。
1チップMSXは、演算速度が最新のウインドウズ機の1000分の1程度に過ぎないなど、
性能面では現在のパソコンと比べるべくもない。しかし、かつて大量に制作されたソフトを
引き続き使ったり、新たに購入して楽しむ環境を維持する取り組みは、ユーザー保護の点で
意義が大きい。
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