07/11/09 22:33:01
>>1続き
DRAMの記憶回路(メモリーセル)の製造技術には「スタック(積層)」と「トレンチ(溝)」と呼ばれる2つの方式があるが、
プロモスはエルピーダと同じ「スタック」陣営。
CLSA証券の宮本武郎アナリストは、両社は技術的に組みやすい相手だとしたうえで、
「プロモスに限らず、台湾勢との提携は流れとして自然。スポット価格がここまで下がれば、01年のITバブル崩壊のときと同様、
再編がいつ起きても不思議はない」とみている。
▼シェア30%へ王手
エルピーダは昨年12月、PSCと合弁企業「レックスチップ」を設立し、4-5年で1兆6000億円を投じて
台湾に4つの新工場を建設すると発表。
4工場の生産能力は、300ミリメートルウエハー換算で月24万枚に達する。
06年のDRAM市場は約3兆円(263億ドル)の規模で、足元のシェアは、エルピーダ単独で約12%、
PSCとの合計では約20%。
坂本社長は「来年中に両社で30%近辺のシェアを獲得し世界ナンバーワンになる」と意気込む。
来春から来夏にかけての増強計画は、エルピーダの主力の広島工場が月10 万枚(最大12-13万枚まで可能)、
PSCの既存工場が月12-13万枚、レックスチップが月7万枚。これを合計すると月29-30万枚となる。
レックスチップは来夏の月10万枚までの増強前倒しも選択肢。
首位サムスンの生産能力は月28万枚程度と市場で推計されており、来年中に逆転が視野に入る。
ただ、サムスンも10月下旬、07年の半導体設備投資計画を、過去最大の6兆8400億ウォン(約8750億円)に
増額すると発表したばかり。
このうちどれだけをDRAM増産に投じるかは明らかにしていないが、追われるサムソンも手をこまぬいているわけではない。
シェア30%を確実にするためには、現行の枠組みに加え、提携で仲間を増やすか、自前で増強計画を上積みするかが、
有力な手段となる。
提携先拡大は、エルピーダが技術を供与することで相手先の能力を確保することができ、相対的にリスクが少ない。
他方で、自社工場拡張のためのエクイティファイナンス(新株発行による資金調達)ついて坂本社長は
「今のところはやる予定はない」としながらも、今後の選択肢からは排除しない構えだ。
ただ新株発行は、株式価値の希薄化や財務の健全性を示すD/E(デッド・エクイティ)レシオ悪化につながるため、
「一時的にレシオを変えてまでも、踏み込むかどうか」と、慎重に判断する。
▼通期の営業利益200億円目標
通期(08年3月期)の業績予想は開示していない。
ブルームバーグ・データによると、アナリスト17人による予想平均値は、売上高が前期比5.2%減の4656億円、
営業利益は同3分の1の221億円。
坂本社長は、スポット価格が1.5 ドルまで回復することを前提に、売上高は4000数百億円、営業利益は
「200億円を確保したい」と述べた。
ただし、「今のままのプライスが続けば、それもなかなか厳しい。市況は来年1-3月期に回復すると思うが、
現時点では読みきれない」との見方を示した。
エルピーダメモリの9日終値は、前日比120円(3.6%)高の3460円。
前日はスポット価格の1ドル割れを受けて3280円まで下落し52週安値を付けたが、反発して取引を終えた。
ソース:ブルームバーグ
URLリンク(www.bloomberg.com)