07/11/03 23:35:57
【ニューヨーク=山本正実】2日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米大手証券
メリルリンチが、保有する住宅ローン担保証券(MBS)が抱える含み損の決算への計上を先送りする
取引を、複数のヘッジファンドと行っていたと報じた。
低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き急増に伴う損失を隠す取引と言え、
米証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出す可能性がある。
メリルリンチは2日発表した声明で「不適切な取引が行われたと信じる理由がない」と報道内容を
否定する声明を発表した。
しかし、この日は米銀最大手シティグループのトップがサブプライム問題で引責辞任する意向を
固めたとの報道も流れ、市場では「米金融機関のサブプライム関連の損失がどこまで膨らむか
分からない」という不安が再燃している。
メリルリンチに関する報道が事実なら、同社が10月24日に発表した7~9月期決算で示した
サブプライム関連の損失79億ドルが、実際はさらに多額だったことになる。
報道によると、ある取引では、メリルの関連会社が住宅ローン債権を担保にした10億ドル
(約1140億円)のCP(コマーシャルペーパー)を発行し、ヘッジファンドが買い取った。
このCPにはメリルが1年後に買い戻す条件が付いており、CPに含み損が生じた場合でも、同社の
決算に計上されるのは少なくとも1年後となり、すぐには損失が明るみにならない。
一方、ドイツ銀行が2日発表した報告で、米大手銀行・証券が第4四半期に100億ドルを超える
追加の損失を計上するとの見通しが示された。前日には、カナダの投資銀行CIBCが、シティ
グループは300億ドル(約3兆4200億円)以上の資本増強が必要だとする試算を示した。
2日の市場では、米証券で唯一、第3四半期決算で増収増益を確保したゴールドマン・サックスに
ついてさえ、追加損失を発表するとのうわさが流れ、同社は否定した。
市場関係者の間では、金融機関の追加損失がどこまで膨らみ、それを補うためにどれくらい
資本増強が必要なのか測りかね、疑心暗鬼が深まっている。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2007年11月3日22時18分 読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
▽The Wall Street Journal
URLリンク(online.wsj.com)
▽Merrill Lynch
URLリンク(www.ml.com)
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