07/11/01 07:55:55
玩具大手のタカラトミーは31日、中国で製造された玩具の安全性が世界的に問題になっている
ことを受け、現在9割を占める中国での生産比率を今後3年間で最低でも7割、最大で4割まで
引き下げる方針を明らかにした。ベトナムやタイなどへ生産をシフトする。最大限引き下げた場合、
中国以外での生産の方が多くなる。
産業界では中国に生産を一極集中するリスクを回避するため、他国へ生産をシフトする
「チャイナ・プラス・ワン」と呼ばれる動きが広がっているが、タカラトミーの対応はさらに
踏み込んだ動きといえる。国内で販売される玩具のほとんどが“メード・イン・チャイナ”だが、
玩具メーカーの生産シフトが加速する可能性もある。
中国製玩具をめぐっては今夏以降、基準値を超える鉛を含む塗料が使われていたことなどが
発覚し、米玩具大手が相次いで製品を自主回収する騒ぎに発展した。
タカラトミーによると、事態を重くみた中国政府が検査体制を強化したが、逆に製造現場が
混乱し、商品の発売が遅れるなどの影響が出たという。加えて、進出先の広東省周辺では
労働力不足による人件費の高騰で生産コストが上昇しており、「中国生産の一極集中は問題がある」
(同社幹部)と判断した。
今後は玩具全体の1割を生産しているタイや、9月中旬から欧州向けゲーム商品などの製造を
始めたベトナムなどに生産拠点を移し、「チャイナ・プラス・ワンでリスクを軽減する」(同社)と
している。
ただ、13億の人口を持つ中国は将来の有望市場で、一定規模の生産拠点は残す方針。また、
ベトナムなどは現状では部品の現地調達が難しいこともあり、段階的にシフトするという。
中国製玩具の自主回収が相次いだ米国と異なり、日本で販売される玩具の8割近くは形状や材質
などを第三者機関が審査する玩具安全(ST)基準にのっとっている。
タカラトミーでは独自の安全対策も進めており、鉛の混入などがわかるX線分析機を9月に中国・
深センの工場に導入。生産委託する現地メーカーの品質検査料も負担し、安全管理を徹底している。
日本トイザらスなど玩具小売りも、中国製玩具の独自検査体制を構築しているが、今後は
生産体制の分散が進みそうだ。
▽News Source FujiSankei Business i.on the Web 2007年11月01日
URLリンク(www.business-i.jp)
▽タカラトミー 株価 [適時開示速報]
URLリンク(www.takaratomy.co.jp)
URLリンク(company.nikkei.co.jp)
URLリンク(smartchart.nikkei.co.jp)
▽関連
【コラム】間接業務は中国へアウトソーシングすべきか[07/10/29]
スレリンク(bizplus板)
【製紙】王子製紙:中国工場を11月に着工、総投資額は約2000億円…定年退職した熟練技術者を現地に派遣 [07/10/26]
スレリンク(bizplus板)