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「資本市場と対話していたらイノベーションは100%起きない」―サイボウズ元社長の高須賀宣
さんは、批判覚悟でこう言い切る。「日本企業の社長はみんな、株主と積極的に対話している。
だがイノベーションを望むなら株主はむしろ無視すべき」
高須賀さんは2005年4月、自らが創業した上場企業・サイボウズを突然辞め、米国に渡って
新会社「LUNARR」を設立。資本金1000万ドル(約12億円)すべてを個人で負担してCEOに就任。
新サービス「LUNARR」α版をこのほど発表した。
■サイボウズでは「代名詞になれない」
LUNARRはオンラインの文書管理とメールを組み合わせたコラボレーションサービス。世界一を
目指して開発した。
「『検索といえばGoogle』『データベースといえばOracle』『ワープロソフトといえばWord』というよう
に、代名詞になるようなサービスにしたい。だって、それって、かっこいいじゃないですか」―米国
でもエジプトでもインドでも日本でも、「コラボといえば?」と聞けば「LUNARR」と答える。そんな
未来を創りたいという。
サイボウズでは代名詞になれない。グループウェアとしては国内中小企業でシェアナンバーワン
だが、世界でナンバーワンは無理だと、サイボウズ社長時代から思っていた。
「グループウェアのような製品は、1回導入したらなかなかスイッチしてもらえない。それに、世界
でナンバーワンになるには、最大シェアを持つ米国をおさえる必要があるが、米国は日本よりも1~2
年マーケットの立ち上がりが早い。早期に米国のマーケットを取っていなければ世界トップは無理」
それでもサイボウズで世界一になろうとした。「時価総額を拡大して、最終的にはIBMから『Lotus
Notes』を買おうと思ってた」。社長時代に実際何件かM&A交渉したし、2005年4月には会長に就任
し、M&Aに集中していくつもりだった。「他社を買収してでも、最終的に世界一のベンダーになれれ
ばいい」―そう自分を納得させようとした。
だが精神が持たなかった。「ぼくのキャラには合わない。ぼくはものづくりの人間だから、売り上げ
とか時価総額を上げることにはほとんど興味がない。ファイナンス屋にはなれないんです」
2005年4月1日。会長就任を承認する株主総会が約20日後に迫るなか、突然の退任を発表。決意
の引き金を引いたのは、LUNARRの原案となる「Web Doc」という概念との出会いだった。「Web Doc
との出会いはいわば神のお告げ。蜘蛛の糸でした」
Web Docとは、Web上のドキュメント(文書)のこと。「ローカルPCにある文書がすべてネット上に
置かれたら、いったい何が起きるだろう」―米国に住む友人と飛行機の中で語り合ううち、いても
たってもいられなくなった。
サイボウズ会長としてWeb Docに賭けることは到底無理。「どうなるか分からない新サービスに
対して上場企業が12億円突っ込みますと言っても、株主に対して説明不能」だから。辞めるしかなかった。
(続きは>>2-10)
URLリンク(www.itmedia.co.jp)
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