07/10/22 23:26:53
厚さ2センチ前後の液晶ディスプレーに同3ミリの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレー─。
今月上旬に千葉市・幕張メッセで開かれた電子機器展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2007」。
シャープやソニー、日立製作所などの電機メーカーが出展した超薄型テレビが注目の的となった。
その賑わいの陰で、昨年は薄型テレビの主役に名を連ねたメーカーのブースが
ひっそりと姿を消していた。表面電界ディスプレー(SED)テレビを開発中のキヤノンだ。
キヤノンは今年10~12月のSEDテレビ発売を目指していた。ところが、今年5月に発売を当面見送ると発表した。
米ハイテクベンチャー、ナノ・プロプライアタリーとの特許訴訟が長期化したことなどが理由だ。
発売の延期は2006年3月に続いて2回目。新たな発売時期のメドは立っておらず、
キヤノンと共同開発相手の東芝(6502)はSEDテレビのシーテックへの出展を今年は見合わせた。
・デジカメで国内首位を明け渡す
SEDの発売再延期をはじめ、日本屈指の優良企業、キヤノンの“変調”を示す出来事が
今年に入って相次いでいる。7月下旬には2007年12月期決算の業績予想を下方修正したことから
同社の株価が大幅に下落。時価総額で任天堂(7974)に抜かれ、製造業ではトヨタ自動車(7203)に
次ぐ2位から3位へ転落した。
キヤノンの業績を牽引してきたデジタルカメラの国内シェアでも、デジタル一眼レフでは
今年上半期はニコン(7731)に首位の座を奪われた。
コンパクトデジカメでも7月から8月にかけて松下電器産業(6752)に首位を明け渡している(いずれもBCN調べ)。
デジタル一眼レフで「万年2位」に甘んじていたニコンに逆転を許した理由を、
Web「BCNランキング」編集部の道越一郎編集長はこう語る。
「ニコンはエントリー機から中級機までの3機種が売れているが、キヤノンはエントリー機の
『EOS Kiss Digital X』が大ヒットする一方で、それより上の機種の販売が伸び悩んだ」。
他方、コンパクトデジカメでは、「キヤノンが9月に『IXY』の最新モデルを投入する前に、
松下は2月に発売した『LUMIX FX30』の後継機である『FX33』を8月に出すという先制攻撃に
打って出たのが奏功した」(道越編集長)。
IXYの最新モデルが出た9月にはキヤノンが再び松下を逆転したが、
「ソニーなどほかのメーカーの最新モデルも出揃った。キヤノンと他社のモデルとの間で
機能やデザインの差はなくなりつつあり、今年の冬の商戦はキヤノンにとって例年より厳しくなりそうだ」
と道越編集長は続ける。
事実、ある調査会社が実施したブランド調査によると、「キヤノンのIXYのブランド力は低下傾向にあるのに対し、
松下のLUMIXのブランド力は上昇している」(同社の担当者)という。
こうした変調の積み重ねが思いのほか、キヤノンの株価の動向にも影響を及ぼしているようだ。
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URLリンク(bizplus.nikkei.co.jp)
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