07/10/08 23:38:19
食品の値上げが広がる中で、主食のコメは価格下落が続いている。
収入が減るコメ農家からは、政府に対策を求める声も出始めた。
しかし、政府は「市場重視」の考え方でコメ需給への関与をしだいに弱めており、
打てる手は少ない。
コメ価格センターでの3日の入札では、落札加重平均価格が60キロ当たり1万4397円と、
前年同月より8.1%下がった。
過剰作付けが解消せず、作況指数が平年並みの99でも23万トンの過剰が発生する
見通しになったことが背景だ。
全国農業協同組合連合会(全農)が今年、農家から販売委託を受けた際に支払う「仮渡し金」を
大幅に引き下げたことも、相場を押し下げているとみられる。
米価は、作況指数が74と空前の大不作だった93年産米で2万3607円、
やはり作況指数が90だった03年産米で2万2296円となるなど、
不作の年には高騰するものの、長期的には下がり続けている。
全国農業協同組合中央会(全中)は4日の理事会で、米価下落に対応した「緊急所得確保対策」を
政府に求める方針を決めた。
現在も価格変動による収入減を一部補てんする助成制度があるが、助成の拡大が必要だとしている。
また、政府の備蓄在庫が適正水準とされる100万トンより少ない77万トンにとどまっているため、
農業関係者からは政府によるコメの買い支えを期待する意見も出ている。
しかし、農林水産省は今のところ直接的な米価対策には慎重だ。
同省は「米システムのあり方」に関する検討会を2日に設置したが、議論されているのは、
米粉、飼料、バイオエタノールなどコメの新たな用途の拡大や、生産調整の徹底が中心。
需給ギャップを埋めるには時間がかかりそうだ。
備蓄米の買い入れについても、若林正俊農相が「政府の買い入れは備蓄の運営に限定している。
価格を支える意味で制度を活用することはしない」と述べている。
ただ、福田康夫首相が所信表明演説で、「高齢者や小規模な農家も安心して農業に取り組める環境を作る」
と述べたことを受け、農水省は小規模農家対策の検討に入っている。
「そうした農家が作っているのはコメ。不満の中心に米価下落があるかもしれない」(同省幹部)。
小規模農家対策の一つとして米価対策が浮上する可能性もある。
ソース
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