07/10/08 23:20:46
政府・与党は、低所得者層に対する国民年金(基礎年金)の加算制度創設の検討に着手した。
7日、明らかになった制度の原案によれば、年収160万円未満の単身世帯などを対象に、
現在満額で月約6万6000円支給されている国民年金を約25%引き上げて8万3000円とする。
基礎年金が低すぎるとの批判を受けたもので、2009年度までに基礎年金の国庫負担割合を
3分の1から2分の1へ引き上げるのに合わせて加算制度の運用開始を目指す。
加算制度の検討は、福田政権発足に伴う自民、公明両党の「無年金、低年金を防止する施策の
充実等を図る」との連立政権合意に基づくものだ。
原案では、加算の対象となる高齢者は「単身世帯で年収160万円未満、それ以外の世帯は
年収200万円未満」を軸に調整している。試算では、65歳以上の高齢者がいる世帯の約18%が
該当するという。
月約8万3000円としたのは、「保険料を40年支払った人の受け取れる年金が生活保護費より
低いのはおかしい」との声があることを考慮し、単身の高齢者世帯の生活保護費月約8万円
(都市部)より高く設定した。加算制度を適用した場合、基礎年金に対する国庫負担割合は6割と
なる計算だ。基礎年金を基準とする障害者向けの「障害基礎年金」も低所得者層に限定して
引き上げる方針だ。
現在の基礎年金制度は、保険料を納めた期間の長さに比例して年金の給付額が決まるため、
収入の差は給付額に反映されていない。だが、格差問題への批判などを背景に、政府・与党は、
年金の「最低保障機能」を強め、年金の分野でも国が低所得者に手厚く配慮するべきだと判断した。
加算制度に必要な財源は税金でまかなう方針で、約9000億円程度と試算している。ただ、
生活保護世帯の年金額が増える分、生活保護費の削減なども見込めることから新たに必要な
財源は5000億円との見方もある。
政府・与党は、基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1へ引き上げるための財源の議論と
同時に加算制度の財源についても議論する方向だ。参院で第1党となった民主党が基礎年金の
全額税方式を主張するなど、年金財源議論は流動的な要素も多く、新たな財源確保ができるか
どうかは不透明だ。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2007年10月8日3時0分 読売新聞)
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