07/09/24 18:30:35
週刊エコノミスト編集部@毎日新聞の記事から抜粋
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「失われた10年」の長いトンネルを抜けて、企業は一斉にバブル期並みの大量採用に走り出した。
景気回復に加えて、「団塊の世代」の大量退職も今年から始まり、過剰だった雇用は
昨年後半頃から一転、不足に転じ始めたからだ。
就職して数年以内に辞めた「第2新卒」を含め、中途採用も一気に活発化。
将来的にも少子高齢化の影響により、人手不足は各産業で拡大する見通しだ。
様変わりする雇用情勢の最前線を追った。
◇景気回復、「団塊」退職… バブル期以来の大量採用 人材確保に走る企業
経済環境の好転を受けて、企業が採用を活発化させている。来春入社に向けた
大学新卒の就職戦線は「バブル期以来」の売り手市場になっている。
リクルートワークス研究所が2~3月に実施した調査によると、来春卒業予定の
大学生・大学院生に対する民間企業の求人総数は、1984年の調査開始以来最大となった。
一方、求人倍率は2・14倍と92年以来初めて2倍を超えた。
高卒の就職希望者は33万人余減の約18万人となっており、若年労働者数は急速に縮小している。
◇反転攻勢へ積極採用
大学通信が実施した今春の就職状況調査で、主要大学の就職先上位に軒並み名を連ねたのが、
みずほフィナンシャルグループだ。
業績回復著しい銀行や保険、証券などの金融大手が上位を占めるなか、
慶応義塾大、東京大でトップ、早稲田大では三菱東京UFJ銀行に次ぐ2位。
グループ傘下の銀行、信託銀行、証券を含めた5社一括採用で計2500人と、
00年の3行合併以来最大の大量採用だった。来春入社もすでに、これと同規模をほぼ確保したという。
大量採用の背景にあるのは、90年代後半の金融危機を受けて実施した
「6年間で約1万人規模の人員削減」(前田晃伸社長)だ。
支店の統廃合などで合理化を進め、不良債権処理の完了と景気回復を受けて、
業績はここ数年で「V字回復」を果たし、反転攻勢の態勢が整った。
「リテール(個人向けの小口取引)部門など成長分野をにらんで、人材投資ができるようになった」
(堀口哲治郎・人事部調査役)という。
育成が前提となる新卒に加えて、即戦力として期待される中途採用にも多くの企業が力を入れる。
三井住友銀行は今年度の中途採用を昨年度の2倍の400人に増やす。
海外M&A(企業の買収・合併)や、海運会社に船舶建造資金を融資する
「船舶ファイナンス」など強化を目指す分野で経験者の募集も進める。
りそな銀行も新聞広告を打つなど、ここにきて第2新卒の募集を本格化させている。
「20代後半の層には、『新卒時に違う業界に就職したが、どうしても金融の仕事をしたい』という
熱意のある人がいる。新卒よりもいい人材が採りやすい」(広報部)という。
今年度は数十人程度の採用を見込み、新卒と同じ約2年の研修を行って育成する。
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