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世界的に再編機運が高まっている鉄鋼業界で、国内大手が買収防衛を意識した株主対策に力を
入れている。配当を増やす正攻法のほか、個人株主の長期保有につなげようと、無農薬野菜の
プレゼントやサッカー観戦への招待など、優遇制度の充実にも工夫をこらす。
「株主の期待に、さらにこたえていきたい」。新日本製鉄の増田規一郎副社長は、9月中間期に
前年同期より1円多い5円を配当すると発表した今月上旬の記者会見で、通期での増配にも前向きな
姿勢を示した。
他社も軒並み中間配当を増やす。JFEホールディングスは10円増の60円、神戸製鋼所は0.5円増の
3.5円、住友金属工業は0.5円増の4円、日新製鋼は1円増の4円といった具合だ。
増配できるのは、中国やインドなど新興国の発展で鉄鋼需要が増え、各社の業績が好調だからだ。
ただ、巨額の買収で昨夏誕生した世界首位アルセロール・ミッタルの存在が、買収防衛の意識を
高めた面も大きい。
欧州の名門アルセロールが新興ミッタルに買収された一因には、アルセロールの個人株主の
離反も指摘されており、国内各社は株主優待制度も拡充している。
JFEは今年、100株以上持つ株主のうち希望者に、グループ会社がつくるレタスなどの無農薬野菜を
配り始めた。配布数は70万パックに達する見通しで、外販の好調もあって今秋、茨城県土浦市の
農場を拡大した。
住金も今年から、傘下のJリーグ鹿島アントラーズの主催試合に株主を招待している。前半戦は
5000株以上持つ株主から抽選で2100組を招待、後半戦は2400組を招く予定だ。新日鉄も05年秋から、
東京・紀尾井町に保有するコンサートホールでの演奏会に株主を招いている。
こうした株主対策について、みずほ証券の高橋光佳シニアクレジットアナリストは「個人株主は
数が多いうえ、短期売買を繰り返す人の割合も増えているとみられ、優待制度の効果は限定的だ。
業績を伸ばして配当を増やすのが基本」と話している。
▽News Source asahi.com 2007年09月16日22時40分
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▽新日本製鉄 株価 [適時開示速報]
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▽JFEホールディングス 株価 [適時開示速報]
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