07/09/15 23:21:00
定年後はアジアで再び活躍を-。大量退職する日本の団塊世代に、中国や台湾などの企業から
求人が相次いでいる。愛社精神や技術力を求める企業側と、「低報酬でも生きがいを」と志向する
団塊側との需給がかみ合い、再就職を仲介する仕組みも整い始めた。
8月末、日本で初めての台湾企業人材募集セミナーが福岡市で開かれた。団塊世代をターゲットに、
日本の経済産業省に当たる台湾経済部が主催した。
経済発展が続く台湾では、政府がプロジェクトとして人材獲得に取り組み、6月には台湾企業と
日本の人材を仲介するウェブサイトも立ち上げた。現在、医療機器や金融サービスなど、約700社
から約1500人の求人があるという。
セミナーでは、サイトの活用方法や台湾経済の現状を説明。約20人の参加者からは、条件や
語学力の必要性について質問が相次いだ。
担当した台湾貿易センター福岡事務所の林俊杰所長(41)は「欲しいのは即戦力。今回のセミナーで、
日本の定年退職者が再就職の場を求めているのを感じた。台湾企業の需要とマッチする」と手応えを
話した。
アジア全域へ日本人の紹介を始める予定の人材育成会社ワールド・キャリアパートナーズ(福岡市)
の川辺卓也社長(51)は「日本人の技術力、管理能力のほか、愛社精神や組織への貢献ぶりが
『社員の模範になる』と話すアジア企業が多い」と語る。
これまで日本人は「人件費が高い」と敬遠されがちだったが「賃金が目的ではなく、技術が生かせる
なら喜んで行きたいと思っている定年退職者は多い」と川辺社長。現地で生活できる程度の報酬で
再就職するケースはかなりあるという。
東京の情報サービス会社に勤務していた石塚敬さん(67)は定年退職後、仕事で付き合いがあった
中国・大連市の情報サービス会社に入社した。日本企業への対応を幹部に助言するなど、通訳と
営業を兼ねた橋渡し役を務め、千葉県浦安市に家族を残して月の半分を大連で過ごす。
中国行きを決めたのは「今後の発展に興味があり、わずかでも自分が役に立てることがあると
感じたから」という。報酬は日本での最盛期に比べ、3分の1に。それでも「人の役に立っている」と
やりがいは格別だ。
石塚さんは「中国企業は真剣なので、老後の腰掛けのような考えでは相手にされない。何回か
事前に現地を訪れ、生活や仕事の環境を自分の目で確認することが大切」と話している。
▽News Source Sankei Web 2007年09月15日17時26分
URLリンク(www.sankei.co.jp)
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