07/08/20 18:34:59
「28度では暑すぎるのですが」。環境省が提唱する温暖化防止活動「チームマイナス6%」
事務局に、クールビズ運動に困惑しているといった声が寄せられている。
なぜ冷房で28度の設定温度を推奨するのか。同事務局は、「建築基準法などの法律で、
執務室の設定温度が28度以下に定められている。運動に取り組みやすいように、この
温度を掲げたにすぎない」と答える。
省エネルギーセンターによると、ノーネクタイ・ノー上着の実践で、体感温度は2度
下がる。2005年にクールビズ運動が始まる前、東京都のオフィスビル約1万6000棟の
平均室温が約25度であったことを考えると、2度上乗せした27度が適当ではないのだろうか。
首都大学東京の石野久彌教授は、「27度までは、衣服の調整でも対応できるが、28度は
扇風機で気流を起こすなどの工夫が必要だ」と話す。
昨年8月24日、環境省地球環境局の室温を測った早稲田大学の田辺新一教授の報告では、
28度に設定していた局内の温度は、夕方には30度に迫る暑さとなった。
アンケートで不満を訴える人は6割を超え、米国空調学会が推奨する、「ビル内の不満足者を
2割以下とする基準」を大幅に上回る。環境省の状況がいかに就労環境として不適当かが
証明された。
●作業前後で比較した室温と疲労感の関係
田辺教授は、疲労感を示す「自覚症状しらべ総合訴え率」や、脳の働きを示すヘ
モグロビン中の酸素濃度を測定し、28度の室温が人体に与える影響について研究している。
「自覚症状しらべ総合訴え率」では、25.5度、28度、33度の3条件で作業前後の疲労感を
測定した。その結果、男女とも室温28度では25.5度に比べて作業前でも疲労感が強まる
傾向が明らかになった。
(そのグラフはURLリンク(business.nikkeibp.co.jp))
このほかにも、コールセンターで年間の電話応答回数を測定し、室温と作業効率の関係を
研究した結果、25度から26度に上げると、作業効率が1.9%程度低下した。
省エネルギーセンターの試算では、夏季のオフィスの室温を26度から28度に上げると
約17%の省エネになるという。しかし、室温を上げて仕事の効率が悪化しては、労働時間が
長くなり省エネに逆行するという考え方もできる。企業として何を優先すべきか判断に迷う
ところだろう。
オフィスでの生産性は知的生産性と呼ばれ、日本での研究は途上段階にある。知的生産性に
影響する要素についても、まだ多くが明らかではなく、国土交通省は8月から知的生産性の
研究を始める方針だ。
3年目を迎えて国民にも浸透し、海外からの注目も浴びているクールビズ運動。今後は、
我慢を強いるだけでなく、科学的根拠に基づいた提案を国民に示していく必要がある。
ソースは
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
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