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農林水産省は、食料生産と競合しない形でのバイオエタノール増産を目指し、稲わらを
原料に使った実証試験に着手する。08年度予算の概算要求に30億円程度を盛り込む。
稲わらなど草本系セルロース(繊維質)でのバイオエタノール製造としては「世界に先駆けた試み」
(環境バイオマス政策課)と位置づけている。
実用化されているバイオエタノール生産は、原料のほとんどがトウモロコシ、サトウキビなど
植物の食べられる部分。米国やブラジルのエタノール増産で食料供給に悪影響が出始めたことから、
草本系、木質系のセルロースなど食用でない原料を使う技術が注目されている。
セルロースからエタノールを作るにはいったん糖に分解しなければならないため、トウモロコシ
などに比べ技術的に難しいとされる。各国で開発競争が起きており、国内ではホンダなどが
微生物を使って稲わらを効率的にエタノールに変える技術を開発した。
同省の実証実験は、こうした実験レベルの成果を一歩進め、実用化に近づける。公募などで
全国数カ所をモデル地域に設定し、稲わらの収集からエタノール生産、自動車での利用まで
一貫した技術の確立を目指す。製造コストも検証する。稲わらは飼料などとして3割程度しか
利用されていないことから、エタノール原料として有効活用を図る。
2030年までに年600万キロリットルの国産バイオ燃料を生産するとした同省の目標に対しては、
食料生産への影響を懸念する声もある。食料に頼らない技術を実証することで懸念を払拭
(ふっしょく)し、日本型の増産構想をアピールしたい考えだ。同省が主導した政府の「工程表」
では、大半を稲わら、木材など新しい原料でまかなうとしている。【位川一郎】
▽News Source MSN-Mainichi INTERACTIVE 毎日新聞 2007年8月9日 3時00分
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
▽農林水産省
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▽バイオマス・ニッポン
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