07/07/28 07:16:00
公共交通事業の民営化を検討中の大阪市は27日、市営地下鉄・バス事業の一体的な
民営化を断念し、両事業の経営形態を別々に見直す方針を決めた。市は今年度内に
結論を出す予定で、7割以上の路線が赤字のバス事業を切り離し、黒字経営を続ける
地下鉄単独の民営化が進められる可能性が高まった。
この日、市政改革推進会議(委員長=上山信一・慶応大教授)の外部委員と関淳一市長との
懇談会で市側がバス事業の現状を説明。
それによると、昨年度の営業収益は230億円。全107路線のうち77路線で経費が営業収入を
上回り、最大で8・66倍に達した。最も赤字幅が大きい路線では、1日の乗客が54人しか
おらず、同事業の累積赤字は昨年度末で541億円に上ったという。
委員側からは「バス事業はビジネスとして成立しない。通学や通院などに欠かせない
路線は福祉サービスとして市が存続すべき」などの提言があったといい、赤字が著しい
路線は廃止するなどの検討が進むとみられる。
一方、地下鉄事業は8路線とニュートラムを運営し、昨年度の営業収益は1673億円。
2003年度以降、4年連続黒字で、昨年度の黒字額は開業以来最高の211億円を記録した。
交通局が昨年12月に公表した経営シミュレーションでは、民営化した場合、税負担の
発生や補助金がなくなることなどで一時的に赤字となるが、人員削減などで3年目から
黒字に転換すると試算された。
上山委員長は懇談会後に記者会見し、「地下鉄単独の民営化を前提に、私鉄や金融機関と
協議する方向性がはっきりした」と明言。これを受け、関市長は読売新聞の取材に、
「バスと地下鉄をどんぶり勘定で経営してきたが、今日の委員らの意見を十分に生かしたい」
と述べた。
市は、8000億円の負債を抱える交通局を改革するため、昨年6月から完全民営化に向けた
研究を開始。今年1月には同局が現行での改革か、職員1700人以上の削減や最大20%の
給料カットなどによる株式会社化を有力とする報告書をまとめている。
>>2に続く
▽News Source YOMIURI ONLINE(2007年7月28日 読売新聞)
URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)
▽大阪市交通局
URLリンク(www.kotsu.city.osaka.jp)
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【交通】大阪市バス民営化せず:赤字路線多く、困難と判断…1日54人の路線も [07/07/28]
URLリンク(www.nikkei.co.jp)