07/07/26 23:26:51
「私的録音録画補償金」制度をめぐり、見直しを検討するために文化庁文化審議会
著作権分科会に設けられた「私的録音録画小委員会」の会合が7月26日開かれ、課金対象
となる機器の範囲などについて話し合われた。
私的録音録画補償金制度とは、MDやCD-Rなどデジタルメディアを使って音楽CDやテレビ
番組などを録音・録画する場合に、一定の補償金を著作権者に支払う制度のこと。
補償金はデジタルメディアの販売価格に上乗せして徴収している。
小委員会の会合は今年8回目。権利者団体や消費者の代表、識者らが集まり、補償金の
徴収方法や対象機器の範囲などの見直しを検討しており、今年中に結論を出す。
「iPodなどのポータブルオーディオレコーダーや録音機能のついた携帯電話、PCなども
補償金の課金対象に加えるべき」―実演家著作隣接権センターの椎名和夫さんや
日本レコード協会の生野秀年専務理事など権利者側はこう主張した。
録音・録画が主な用途ではない汎用的な機器まで対象にすれば、その機器を録音や
録画以外の用途に使っているユーザーからも補償金を徴収することになってしまう。
権利者側はPCやHDDも課金対象とするよう主張を繰り返してきたが、ユーザーやメーカーは
反対の声を上げている。
メディアやハードを著作物の複製に使っていないことを証明できれば、ユーザーが
補償金の返還を請求できる制度もあるが、返還額が小額なことや、申請経費を請求者が
負担するなど、実効性がないとの問題点がある(関連記事参照)。
ユーザーではなく機器メーカーから補償金を徴収すればいいのではないかという意見も
あるが、IT・音楽ジャーナリストの津田大介さんは「メーカーから補償金を徴収した場合、
コストとして機器の価格に反映される可能性が高く、消費者の負担は変わらない」と反論した。
野原佐和子氏(ITビジネスのコンサルティング事業を手がけるイプシ・マーケティング
研究所社長)は、補償金の話からは離れると前置きした上で、ヤフーが動画投稿サイト
「Yahoo!ビデオキャスト」で、ユーザーが投稿した動画で使用された楽曲の使用料を
JASRACに支払う仮契約を結んだことを、新しい著作権料の支払いのあり方だと評価した。
「どういうものが私的録音録画に当たるかを法制度で決めるのは良いが、どの機器に
どれくらい課金するかというようなことは当事者間の契約で決めればいいのではないか。
法制度で決めることと、市場に任せるべきことを分けて議論すべき」(野原氏)
▽News Source IT media NWES 2007年07月26日 20時53分 更新
URLリンク(www.itmedia.co.jp)
▽文化審議会
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