07/07/10 09:59:05
総務省のふるさと納税研究会に呼ばれた。地方部の県代表で私、都市部代表は
松沢成文神奈川県知事である。私は総論賛成、松沢知事は反対という立場である。
このふるさと納税というのはそもそも税収の地域間格差を是正することが主たる
目的とされた。しかし、一部のシンクタンクの調査によると、「あなたが税を
納めたい自治体はどこですか?」という質問に対して、「納めたいベスト10」に
都市部の自治体が入っていた。つまり、ふるさと納税は、必ずしも都市と地方の
地域間格差を是正するものではないのだ。しかし、各自治体に何らかの税収が発生
することは確かである。
反対派の意見としては、地方税を地方同士で奪い合う議論は良くない。
これを税制とした場合、地方税の基本原則である応益負担・負担分人に反する。
ふるさとの定義をどうするか? 徴収コストがかかり煩雑になる、とかである。
よって税体系として制度化するには無理があるというのだ。
しかし、「ふるさとを思う」ということは、ひいては親兄弟を思い、先祖や自分の
歴史を考える契機になることが期待できる。ともすると今の日本人が忘れがちな
大切な「心」のルネサンスがそこにある。ふるさと納税を通じて「税」という
ものを国民がもう一度考え、議論してみることは重要であろう。各自治体が、
税金を納めてもらうため、少しでも魅力ある自治体を創ろうと切磋琢磨し、結果、
地方が活性化する効果も期待できる。さて、皆様は、このふるさと納税をどう
お考えになるだろうか?
(宮崎県知事・東国原英夫)
ソースは
URLリンク(www)