07/07/09 17:31:45
慢性疾患のお年寄りが長期入院する療養病床を減らし、新型の老人保健施設(老健)
などへの転換を促すため、厚生労働省は介護報酬改定の一部を1年前倒しし、
08年春に行う方針を固めた。新型老健などの報酬単価を優遇する。また、転換の
足かせとされてきた施設別の増設枠を撤廃し、地域の総枠のなかで老健や
特別養護老人ホームなどを自由につくれるようにする。療養病床の削減分を
他施設の増設に充てられるようにし、削減・転換を加速させる考えだ。
療養病床には医療保険を使って入院するベッド約25万床と介護保険を使う約12万床が
あるが、患者の半数は、医療サービスの必要性が高くない「社会的入院」とされる。
社会保障費抑制などの観点から厚労省は、介護型を11年度末に全廃、医療型も
12年度末までに15万床をある程度超える水準まで減らす方針だ。
しかし、療養病床の廃止は医療機関の判断による。必要な医療が施せなくなるとの
懸念や経営上の不安などから、削減や転換はほとんど進んでいない。
そのため、厚労省は抜本対策として、3年ごとに実施する介護報酬の改定を1年前倒し
することを決めた。終末期のみとりや夜間看護など、従来型に比べて医療的ケアを
充実させた「新型老健」を介護報酬上で新たに評価し、報酬を手厚くする。単価は
介護型の療養病床(1人あたり月額約41万円)と、従来型老健(同約31万円)との
中間程度に設定する方針。
定員30人未満の小規模な老健では180日以上滞在できない、という介護報酬上の
日数制限も前倒しして撤廃。診療所にある療養病床を小規模老健に転換しやすくする。
また、都道府県ごとの整備計画で、老健や特養など施設別の増設枠を年度ごとに
定める規制もなくす。療養病床を転換しようとしても施設別の枠を超えることが
できず、受け皿を十分に用意できない問題を解消する狙い。施設の種類を問わない
ようにすることで、介護型療養病床が減った分を他施設の増設分に回せるようにし、
転換を加速させる考えだ。
療養病床の他施設への転換が進んだ場合、医療対応が必要な重度者の受け皿が不足し、
「介護難民」が発生するおそれがある。このため、厚労省は今秋、各都道府県が
見積もった療養病床の必要数をもとに、12年度末時点で存続させる療養病床の数を
決める方針だ。
ソースは
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