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ドイツで越前打刃物が人気 ゾーリンゲンに出荷順調
2007年5月24日
世界各国から注目が集まる越前打刃物。
中でも屈指の刃物産地ドイツ・ゾーリンゲンへの輸出が好調だ。
ものづくりの同じ気質を持つ武生の職人が生み出す和包丁。
同国で浸透してきた日本食ブームが追い風になっているようだ。
出荷しているのは打刃物製造の十社でつくるタケフナイフビレッジ協同組合(越前市余川町)。
「加茂藤刃物」社長の伝統工芸士、加茂詞朗さん(49)が製造している。同組合は二〇〇五年
二月、ドイツ・フランクフルトの見本市に参加。ゾーリンゲンの老舗ロベルト・ヘアダー社が
関心を寄せ、同年末に取引が始まった。
家庭用の三徳包丁、刺し身用の柳刃包丁の大小合わせた和包丁八種類を年間三百本ほど輸出
している。同組合によると、ドイツでは三年ほど前から生魚や刺し身が身近になり、
趣味で日本食を作る人も増えているという。退職後の男性に特に人気らしく「手作りのよさと
切れ味が重視されているのだと思います」と加茂さんは話す。
加茂さんが手掛けるのは両刃の三枚合わせ。両面の刃の部分が斜めに鋭くなっているのは
欧州と同じ仕様。欧州の伝統的な刃物は硬い一枚の鋼(はがね)でできており折れやすいが、
武生の刃物は二枚の軟らかい鋼で硬い鋼を挟む三枚構造のため硬さと丈夫さを兼ね備えているという。
加茂さんはこれまでに二回、現地で小売業者を対象に研ぎ方の講習を実施。
ロ社の社長も三回、ナイフビレッジを訪れ、製造工程などを見て回った。現地での市価は
二-三万円。「安いものではないが、ようやく使われ始めた。
まだこれからです」と加茂さんはさらなる需要拡大を見込んでいる。
(中日新聞)
URLリンク(www.chunichi.co.jp)
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URLリンク(www.chunichi.co.jp)
越前打刃物のゾーリンゲンでの人気ぶりについて話す加茂詞朗さん=越前市のタケフナイフビレッジで