07/05/17 11:10:52
>>1の続き
久多良木氏はＳＣＥの取締役退任後も、同社の名誉会長とソニー経営陣に対する
シニア・テクノロジーアドバイザーという肩書は残る。
しかし、当の本人は退任決定時の発表で、「さらなるチャレンジを、ＳＣＥを離れて
加速していきたい」とコメント。また、一部の報道機関には「今後のプロジェクトは
基本的にソニーから独立したものになるだろう」と語り、“ソニー離脱”を強調した。
気になるのは、今後の身の振り方。久多良木氏が掲げているのは、コンピューターや
携帯電話を高速ネットワークでつなぎ、ゲームや映像、音楽などのコンテンツを
やり取りしたり、膨大なデータ処理を共同で行う事業の推進だ。
以前から胸に秘めていた構想で、ＰＳ３でも一部実現している。久多良木氏は
昨年の講演の中で、自ら思い描くネットワークの好例として、米インターネット
検索大手グーグルの立体地図サービス「グーグル・アース」を取り上げたことがあった。
今後はＰＳ３と連携しつつも、独立した立場で「こうしたインターネット企業と組んで
事業を展開していく可能性もあるのでは」（前出アナリスト）との指摘もある。
久多良木氏の「事実上の更迭」（業界関係者）には、ソニー本体のハワード・
ストリンガー会長の意向が強く働いたとされる。
「もともとストリンガー氏は、久多良木氏の能力を高く評価していた」（ＩＴジャーナリスト）との
証言もある。ところが昨年、ソニーの部品供給に問題が発生し、ＰＳ３の
量産体制が遅れたことについて、久多良木氏はソニーを公然と批判。
「ＳＣＥが独立した“久多良木王国”のようになっていることを、ストリンガー氏は
問題視したのでは」（業界関係者）という。
出井伸之前会長（現最高顧問）当時から、ソニー本体のトップ候補として有力視されてきた
久多良木氏。同氏のソニー離脱によりトップ候補に浮上してくるのが、副社長の
井原勝美氏（５６）だ。
井原氏は欧州滞在時にスウェーデンのエリクソン社との合弁会社ソニー・エリクソンで
携帯電話端末事業を収益の柱に育てたほか、帰国後は薄型テレビの新ブランド
「ブラビア」の立ち上げの中心となり、シェアを急拡大させている。
「井原氏の“本命”の座が一段と強固なものとなった」と前出のジャーナリスト。
ソニーの人事から目が離せない。
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