07/05/15 08:10:24
ハンバーガーチェーンの競争が一段と熱を帯びてきた。マクドナルドが好調さを持続するなか、
不振のモスバーガーは初の割引クーポン券配布や24時間営業店拡充など「なりふり構わぬ追撃」に出た。
一方、6年前に日本市場から撤退したバーガーキングが再上陸。競争が激しくなるにつれて、
各社にとっては商品戦略、店舗展開の重要性がさらに高まりそうだ。(高橋寛次)
◆「メガ」ヒット
日本マクドナルドは3月に430億円の月間売上高をあげ、単月の過去最高記録を6年ぶりに更新した。
この1年余りで、年間や1日の売上高も最高を記録している。
その象徴となったのが、1~3月などの期間限定で販売した「メガマック」(350円)のヒットだ。
この、牛肉パテを4枚挟んだ最大級のハンバーガーは発売時には、最初の4日間で予想の2倍近い
332万個を売り上げ、1日の数量を限定しての販売に切り替えた。
マクドナルドは3年ほど前まで、業績低迷にあえいでいた。平日65円バーガーなどの低価格戦略が
失敗だったためと指摘されることが多いが、いちよし経済研究所の鮫島誠一郎主任研究員は「最大の要因は
メニューがワンパターンに陥っていたこと。えびフィレオからメガマックへの流れは、その状況を変えた」と評価する。
◆新展開に活路 モスは初のクーポン
モスフードサービスは4月、ハンバーガーに挟むパテを10年ぶりに刷新した。牛肉100%だったのを
牛と豚の合いびき肉に変え、「歯応えを出した」という。
こうした刷新の背景には客数減による販売不振がある。
モスは「少し高価だがおいしい」という路線で他チェーンとの違いを打ち出してきたが、桜田厚社長は
「他社が丹念に改善したことで、味への評価が(モス製品と)同質化してきた」と嘆く。
さらに、4月中旬からはマクドナルドが得意とするクーポン券配布にも乗り出した。これまでは、
価格競争に発展する懸念から実施したことがなかったが、方針転換し、開始1カ月間の客数は
前年同期比1割増と好スタートを切った。
桜田社長は14日の決算発表会見で、「年度内に(利用金額に応じて割引などの特典がある)
ポイントサービスを導入したい」と述べるなど、マクドナルド追撃への“次の一手”を準備する。
このほか、ドライブスルーなど24時間営業店は今年3月末の75店から、年度内に200店以上に
増やす意向だ。マクドナルドは24時間店が先月で1000店を突破したが、これを見習った格好だ。
これらの施策が来店客数増につながるか、独自性を失わせる結果に終わるか、目が離せない。
>>2以降へ続く
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