07/04/21 22:53:50
■ゲイツ会長、提供を表明
「私はよく技術革新に終わりはあるのかと尋ねられる。答えは明らかだ。数十年先も
(技術革新に)限界はない」
米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長(51)は19日、中国の北京で行った公演で、
“技術の進歩”に終わりがないことを高らかにうたいあげた。
そのうえで、ゲイツ会長は開発途上国などの学生・生徒向けに、パソコン用基本ソフト(OS)
「ウィンドウズXP」などのソフトウエアのセットを破格の3ドル(約350円)で提供すると表明した。
マイクロソフトは、安価なソフトを途上国に提供することで、パソコンの低価格化を促し、
貧富の格差から生じるデジタルデバイド(Digital Divide、情報格差)の解消を支援する
としている。
■月収以上の値段
3ドルソフトには、ウィンドウズXP簡易版やビジネス用ソフト「オフィス・ホーム」、教育用
ソフトなどが含まれる。
今年下半期から、途上国の小学生や中学生らが学校や家庭で使えるよう、補助金でパソコンを
用意した中央政府や地方政府に販売を開始する計画だ。
19日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、3ドルソフトの通常の小売価格は
150ドル(約17700円)。多くの途上国の家庭の平均月収以上の値段だ。この価格では、
途上国の人々がソフトを手に入れるのは容易でない。
途上国では、コンピューターを普及させたくても、ハードやソフトが高額なため、普及が
進まないのが現状だ。現代社会の営みは、情報技術と経済発展が密接に結びついているだけに、
デジタルデバイドが先進国と途上国の貧富の格差をさらに広げる要因となっている。
■海賊版に対抗
世界的な課題となったデジタルデバイドの解消を目指す活動は、すでに始まっている。
米マサチューセッツ工科大学のニコラス・ネグロポンテ氏を中心とするグループは
「One Laptop per Child(1人の子供に1台のノートパソコン)」のプロジェクトを推進。
無償OS「リナックス」を採用して、低価格のパソコンを途上国に普及させる活動を進めている。
最終的に、ノートパソコン1台の価格を100ドル(約11800円)に下げて途上国に普及させる計画だ。
一方、マイクロソフトも過去、マレーシアやタイなど数カ国に限定して、ウィンドウズの
価格を30ドル(約3540円)以下に抑えて提供してきた。
しかし、今回はその10分の1だ。なぜマイクロソフトは、3ドルソフトに踏み切ったのか。
ゲイツ会長は「教育は未来にのための最も重要な投資だ」と説明、今回の計画が単なる
慈善事業ではないことを強調した。
途上国では、ウィンドウズなどの海賊版の使用が横行しており、安価であっても料金が
支払われれば、ビジネスになる。さらに、今後成長が期待される途上国で、無償OSに
対抗して、主導権を握るためには、ウィンドウズのユーザーを増やしておくことが不可欠だ。
「現在10億人の世界のパソコン人口を、2015年までに2倍の20億人にしたい」
技術革新の無限性を信じて止まないゲイツ会長の野望だ。
引用元
URLリンク(www.iza.ne.jp)