07/04/18 22:16:37
大手石油会社が、大手食肉メーカーと手を組んだ。
米国最大の食肉加工業者Tyson Foodsは、鶏肉、豚肉、家禽類の脂を原料とする
バイオディーゼルの製造と販売に向け、大手石油会社のConocoPhillipsと共同で取り組みを
進めている。両社はアイルランドにあるTysonの施設で、加工処理の試験を行ってきた。
バイオディーゼルは、大多数のディーゼルエンジンで使用可能で、通常のディーゼル油よりも
クリーンな燃料だ。加工方法によって、亜酸化窒素や硫黄化合物などの排出量も少なくできる。
さらに、燃焼後に排出される二酸化炭素は植物に捕捉されるので、バイオディーゼルは
カーボンニュートラルな燃料だと、支持者たちは主張している(草は光合成の過程で二酸化炭素を
吸収し、その草を牛が食べ、その牛の脂肪がディーゼル燃料となり、二酸化炭素を排出する、
というサイクルだ)。
これに対して、化石堆積物から作られた従来のディーゼル燃料は、地中に捕らえられていた
二酸化炭素を排出するだけだ。
Tysonは2006年にリニューアブルエネルギー部門を設立した。同社の食肉加工事業では、
1年あたりおよそ23億ポンド(約100万トン強)の動物性脂肪が生じる。
ここから1年間で1億7500万ガロン(約66万2000キロリットル)のバイオディーゼルが生産できると、
同社では見積もっている。ConocoPhillipsはTysonとのバイオディーゼルプロジェクトに
1億ドルを投資する予定だという。
ただし、米国の食肉処理場から集められた動物性脂肪をバイオディーゼルに加工するだけでは、
エネルギー問題は解決できそうにない。米国で2006年に消費されたディーゼル燃料は、
およそ620億ガロン(約2億3500万キロリットル)にのぼる。
つまり、Tysonの取り組みは、ディーゼル燃料の消費量全体からみれば1%にも満たないのだ。
仮に、米国で使われているすべての食用油と動物性脂肪を回収して燃料に変換したとしても、
ディーゼル燃料供給量のごくわずかな割合にしかならない。
それでも、この取り組みが両社に新たな収入をもたらす可能性はある。
ディーゼル燃料の卸売市場価格は1ガロン(約3.78リットル)あたり2ドル前後だ。
バイオディーゼルは、現時点では通常のディーゼル燃料より値段が高いが、
政府が1ガロンにつき50セントから1ドルの補助金を提供し、化石燃料から生成した
ディーゼル燃料に対抗可能な価格になるよう調整している。
※まだ続きがあります。