07/04/09 11:35:13
会社員の厚生年金と公務員らの共済年金が、政府の方針通り
２０１０年度に一元化（統合）された場合、年金財政は若干改善するものの、
２１００年度までに必要な年金給付費のうち約１３４兆円が厚生年金側の負担になる、
との参院厚生労働委員会調査室の試算が２日、判明した。
一元化では双方の積立金を統合、公務員らに対する独自の上乗せ年金「職域加算」を廃止する。
それでも「民」（厚生年金）が負担をかぶる形になるのは、廃止前に給付が確定している
上乗せ年金の原資に充てるため、共済側の積立金の一定割合を分離して残すためだ。
「官優位の解消」をうたった一元化関連法案は６日にも閣議決定されるが、
積立金の分離方法をめぐり国会で議論を呼びそうだ。
試算は、今後の国会審議の参考とするため参院が民間シンクタンクに委託した。
一元化に伴う積立金の統合で共済が拠出する額の算定には、積立金が何年分の給付を賄えるかを
示す「積み立て比率」が使われる。０９年度の厚生年金の同比率（推計５・２５年分）が
適用される結果、同比率がこれより大きい共済の積立金では、一定割合が分離され、
職域加算の確定分給付の原資となる。
試算によると、分離された資産が将来的に生む運用益が得られないことなどが、
年金財政に約４２７兆円のマイナスに働く。
一方、職域加算の確定分給付が一元化後の年金財政から除外されることで
約２９３兆円のプラス効果となる。
差し引き約１３４兆円が共済側の「積み立て不足」となる計算で、
厚生年金側が負担することになる。
積み立て不足の半面、保険料率の引き上げや職域加算の将来分の給付廃止が、
年金財政に約２４２兆円分プラスに作用する。
総合すると、マイナス分は“穴埋め”され、２１００年度末の積立金残高は約２４７兆円と、
一元化しない場合より約１０８兆円増加。「一元化で年金財政は若干改善する」という。
◎ソース 産経新聞
URLﾘﾝｸ(www.sankei.co.jp)