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米国で、ホームレスの入院患者を邪魔だとばかりに街頭に投げ捨てる、いわゆる
“ホームレス・ダンピング”が社会問題化している。
最近も、米カリフォルニア州ロサンゼルスの病院に入院中だった男性が、
ロサンゼルスのドヤ街に放り出されるのが目撃された。
入院費も払えないホームレスの患者の対応に困った病院が、患者を放り出す
のは現代版の“姥捨山”といえるが、ロサンゼルス市警(LAPD)でも、
悪質なケースとして調査を始めている。
LAPD管内では、2年前から病院がホームレスをドヤ街に放り出すケースが
目立っている。
最近のケースは、2月8日に目撃された。同日午前10時45分ごろ、白い
バンがドヤ街に乗りつけた。ドアが開くと、病院のガウンと人工肛門用の
バッグを持った男性患者がふらついた格好で出てきた。
バンを運転していたのは女性。周囲の人が「車椅子はないのか」「歩行器は」
などと声をかけたが、何も答えず立ち去った。人々の通報で警察が現場に
駆けつけた。患者の年齢は41歳で、グラディス公園近くで見つかった。
警察に対し、男性は、「どこにも行くところがない」と話し、また「病院から
これ以上いることはできないと言われた」ことを明らかにした。
その後別の医療施設に送られ、手当てを受けている。
警察が調査した結果、バンは、「ハリウッド長老派メディカルセンター」が
手配したものとわかった。LAPDのある捜査官は、これだけ冷淡な扱いは
見たことがないと憤っている。
「ハリウッド長老派メディカルセンター」の幹部ケイラー・シェムバーガー氏
によると、患者は7日に退院し、バンでドヤ街近くにある避難施設に送る予定
だったが、満杯だったため、いったん病院に戻り、翌8日に朝に再度、ドヤ街
にバンで送ったと話している。
“ホームレス・ダンピング”をめぐっては、これまでに数十の病院が問題を
起こしている。2006年3月には、「カイザー・パーマネント」病院が、
ホームレス患者を、ドヤ街に放り出したことがわかり、大きな問題になった。
女性は公園で生活していた63歳の女性。認知症で病院で数日間滞在した後、
病院側は、タクシーを呼び、ドヤ街まで運んだ。タクシーが停車した周辺に
監視カメラが設置されていたため、タクシーから降りた女性が、方角が
わからず、車道脇をおぼつかない足取りで歩いている姿が記録された。
その後カメラのビデオが公開されたため、大きな問題になった。
ロサンゼルス市検事局では、2006年11月、病院側が患者を放り出したと
して、刑事告発している。同時に民事訴訟を起こし、今後の患者の放り出し
を禁じる決定を下すよう、裁判所に要請している。
63歳の女性に対する問題では、「カイザー・パーマネント」病院に勤めて
いた看護助手が、捜査当局に協力したため失業するという事態にもなっている。
このため看護助手が病院側を訴えている。
ニュースソース URLリンク(news.livedoor.com)
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