【食品/論説】日本の「寿司ポリス」に巻き入る-フィナンシャル・タイムズ [07/01/30]at BIZPLUS
【食品/論説】日本の「寿司ポリス」に巻き入る-フィナンシャル・タイムズ [07/01/30] - 暇つぶし2ch1:きのこ記者φ ★
07/01/31 23:08:18
キュウリを少々。そしてカニカマとアボカド。すし飯でくるりと巻いてトビコをまぶす。
6つに切り分け、醤油をつけてめしあがれ。

これがカリフォルニア・ロールの作り方だ。カリフォルニア・ロール。
何ともはや、まずそうな名前の代物だが、これこそが「sushi」が米国で一般に広まるきっかけを
作ったヒット食品だ。それまでは日本人と日本通以外にはほとんど知られていなかった寿司は、
カリフォルニア・ロールの登場が転換点となって、一般のアメリカ人にも広く親しまれるようになった。
(中略)

「日本食」を名乗るレストランの急増を懸念する日本政府は、ついに対策に乗り出すことにした。
農林水産省は、海外で「本物」の日本食を出す日本食レストランを「認証」する制度を、
早ければ年内にも導入する方針だ。

「日本食ブームは素晴らしいことだが、多くの場合、日本食を名乗る店で出されているのは、
本物の日本食ではない」 農水省の役人はこう言う。
「和食ファンをもっと増やすためにも、本来の日本食とはどういう味か、多くの人に知ってもらいたい」

「本物の寿司」を認証する「スシ・ポリス」が実際どうやって、海外に約2万軒はある日本食レストラン
(半数は米国内)の味を確認して回るのか。詳細はまだ定かではない。
農水省によると2万軒のうち、日本人か日系人が経営する店は1割程度でしかないという。

農水省はもちろん、「本物の日本食認証制度」の意図するところは人種差別とは無縁のものだと強調する。
しかしそれでも、農水省の動きは実に偽善的だと批判する声は多い。なぜなら日本だって同じくらい、
西洋料理を日本人の舌に合うように好き勝手に作り替えてきたからだ。
だったら、明太子パスタを出す日本のレストランに、イタリア政府の「イタリア料理ポリツィア」が
乗り込んでくるだろうか? ライスバーガーなるものを出すファーストフード店を、アメリカの
アメリカンクッキング守備大隊が取り締まったりするだろうか?

要するに、「本物」の料理を認証するという発想そのものが(志は確かに高いが)、グローバル化
された世界ではもう通用しない。グローバル化されたこの世界では、東京のマクドナルドには
テリヤキバーガーがあるし、ロンドンの(サンドイッチ・チェーン)「プレタ・マンジェ」は寿司を売っている。
(中略)

海外で日本食人気が高まったのは往々にして、創意工夫に優れたレストラン経営者のおかげだ。
多くの場合、そうしたレストラン経営者はアメリカ在住の中国人や韓国人で、
彼らはビジネスチャンスをみつけて上手に活用したまでだ。

確かに、キムチと刺身の相性は良くない。しかし、「本物」を、本物でないものとことさらに
区分けするよりも、日本政府はむしろ、外国で日本食を広めようとしている全ての人たちに
感謝状を贈るべきだ。なかでもカリフォルニア・ロールを発明した天才には、特に。

ソース
URLリンク(news.goo.ne.jp)
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