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'03 年5月、派遣労働法改正案を審議した衆議院厚生労働委員会で民主党の城島正光衆院議員(当時)が、
質問の冒頭に次のような問題を提起した。
「総合規制改革会議のメンバーの会社に偏りがあるのではないか」
城島氏はあえて個人名を挙げなかったが、主旨は次のようなものだった。
(1)人材派遣業から奥谷禮子ザ・アール社長と河野栄子リクルート社長の2委員が入っている、
(2)座長の宮内義彦氏が代表を務めるオリックスはザ・アールの第2位株主で、リクルートは
ザ ・アールの取引先である、
(3)委員のうち3社が事業上密接なつながりがあるが公正な議論は担保されるのか、
(4)奥谷氏は厚労省労働政策審議会の委員でもあり、雇用労働政策を策定する側(厚労省)と、
その改革の方向性を出す側(規制改革会議)の両方に入っているのはおかしい―。
興味深いのは、この城島氏の質問に対する奥谷氏と宮内氏の反応だった。
奥谷氏は秘書を伴い、議員会館に城島氏を訪ね、「名誉毀損であり、抗議し、謝罪を求める」旨を通告した。
さらに、当時の中山成彬厚生労働委員長宛に弁護士名で内容証明郵便を送付。
城島氏の不適切な発言部分を速記録から削除し、削除できなければ訂正などの措置を講じるよう要求。
城島氏の発言主旨を確認して「悪質な場合には処分等」を検討するよう求めたのである。
さらにその数日後、今度は宮内氏からも城島氏に厳重抗議の書面が送られてきた。
宮内氏は菅直人民主党代表(当時)にも抗議文を送り、城島氏の発言に関する民主党の見解を質し、
「民主党の総意で規制改革に反対するのであれば、反対する具体的かつ合理的な理由を挙げて
述べていただきたい」と強硬な姿勢を示した。
城島氏は「国会議員の院内における発言に関して、外部から削除や訂正を求めるなど前代未聞」として
、衆議院議長を通じて内閣の見解を尋ねた。
これに対する内閣の小泉純一郎総理名による回答は、
「(抗議書面は)『総合規制改革会議議長 宮内義彦』の名義になっているが、
個人の見解をまとめた私文書と承知している。
政府としてはその内容の適否および合憲性について意見を述べる立場にない。
政府として議員の院内における発言内容を論ずる文書を発出したことはない」というものだった。
つまり、宮内氏の抗議について政府は関知しないというものだった。