06/12/30 11:08:54
トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)が名古屋国税局の税務調査を受け、04年3月期までの3年間で
60億円を超える申告漏れを指摘されたことがわかった。うち約20億円は海外子会社2社に乗用車の
部品を本来よりも安く売ることで、販売促進費の捻出(ねんしゅつ)や、子会社の業績改善に使われて
いたという。国税局は、こうした行為が子会社支援を目的とした利益の圧縮で、税逃れにあたると認定。
広告宣伝費の水増しによる所得隠しなども加わり、重加算税を含め総額約20億円を追徴課税(更正)
した模様だ。 関係者によると、トヨタは海外子会社2社のうち、オーストラリアの子会社に中型車「カムリ」
の部品を輸出した際、本来の単価を下げて売り、下げた部分を「カムリファンド」として子会社が管理
していた。その一部は、子会社が完成車にしてサウジアラビアやオマーン、アラブ首長国連邦などの
販売代理店に販売した際に渡したとされる。 このファンドは04年3月期までの4年間で約50億円に
上り、その中から販売促進費として使われていたという。販促費は完成車が対象となり、この場合、
子会社が負担すべきだとされる。しかし、国税局は「トヨタが販促費を肩代わりするため、部品の単価
を下げてひねり出した」と判断。このうちの一部が「為替変動を差し引いても、極端に単価が低すぎる」
として、是正を求めた模様だ。
また、ブラジルの子会社に小型車「カローラ」の部品などを輸出した際にも、単価を下げて売り、利益を
圧縮していたという。「子会社の業績が悪く、援助してほしい」という趣旨の内部文書があったとされ、
国税局はこの行為にも同様の見解を示したという。 こうした海外子会社2社による税逃れは、04年3月
期までの3年間で約20億円に上ったという。ほかに自動車関連の広告宣伝費約5億円の水増しや費用
の計上ミスなどを含めると、申告漏れ総額は60億円を超えたとされる。 鈴木武・トヨタ自動車専務
(財務担当)は朝日新聞の取材に対し、「税務調査で指摘を受けた。我が社としてはきちっと処理している
つもりだが、指摘内容はよく覚えていない」と話した。
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