06/12/29 22:53:54
◎労働時間規制の除外 働き方の一つの選択肢
労働政策審議会の分科会が、一定の労働者を一日八時間の労働時間規制から外す
ホワイトカラー・エグゼンプション(適用除外)の導入を求める報告書をまとめた。
労働側委員は残業代のない長時間労働を強いることになるとして強く反対しているが、
働く時間の長さで成果を評価できない、創造的で自由度の高い業務に就く人も増えている。
そうした労働者のために、働き方の一つの選択肢としてエグゼンプション制を用意しておいて
いいのではないか。
この制度の目的は、労働時間の調整を当人の裁量に任せることによって、より能率的に
仕事の成果を挙げることであり、残業代の削減や長時間労働の強要ではない。労使ともに
その目的を間違えてはならない。
「過労死促進法」などといって反対するのは、制度の目的を曲解した反対論といわざるを得ない。
戦後間もなく制定された現行の労働基準法は、工場労働者の労働環境の保全を想定して
労働時間などの規制を設けた。しかし、産業構造は大きく変化し、ホワイトカラーの増加に
伴って、労働時間の長短で仕事の質や量を測りにくい職種が増え、労基法が必ずしも
適合するとは言いにくい状況になってきた。
時間にとらわれずに企画、アイデアで付加価値を生み出す専門的な仕事に就く人たちのために、
新しい労働のスタイルを選ぶ機会を提供し、成果に報いることを考える必要が生じているという
ことである。それを実現する方法の一つがエグゼンプション制といえる。
むろん、すべての労働者に適用するのは無理であり、対象を限定しなければならない。
労政審の報告書は要件として
▽労働時間では成果を適切に評価できない
▽重要な権限・責任を伴う
▽仕事のやり方などを使用者に指示されない
▽年収が相当程度高い
の四点を挙げている。おおむね妥当な基準といえる。今後、年収の水準などについて、
さらに具体的に詰める必要がある。
エグゼンプション制は既に欧米の主要国で採用されている。制度導入の議論は審議会から
政治の場に移るが、日本の労働環境や実態に合ったより良い制度をめざして審議を尽くしてもらいたい。
・ソース:きょうの社説~北國新聞
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