06/12/28 07:10:10
東芝の西田厚聡社長は27日、毎日新聞のインタビューに応じ、液晶、プラズマに続く
「第3の薄型テレビ」としてキヤノンと共同開発中のSED(表面電界ディスプレー)テレビに
ついて「数が圧倒的に少なく、値段も高くつく。SEDで液晶に戦いを挑もうとは全く考えて
いない」と発言。開発を表明した04年当時、50型以上の薄型テレビで20~30%のシェアを
狙うとした従来路線を大幅に軌道修正し、放送など業務用需要を中心に限定的な発売に
とどめる考えを明らかにした。テレビ事業参入が悲願のキヤノンにとっては、打撃に
なりそうだ。
SEDはブラウン管と同じ発光原理を応用。ブラウン管並みの黒が締まった高画質と、
消費電力の少なさが特長で、04年に東芝とキヤノンが開発・生産の合弁会社を設立した。
ただ、液晶やプラズマテレビの価格が急ピッチで下落、これに対抗できる低コストでの
量産技術開発が難航。06年春としていた発売時期も07年末に延期していた。
東芝は従来、50型以上の大画面テレビはSEDで商品展開する方針だったが、これを変更。
西田社長は同日、同社初となる50型台の液晶テレビ2機種を来春に発売することも表明した。
ただ、今年度200万台規模の販売が見込まれる液晶テレビを持つ東芝に対し、キヤノンに
とってSEDは「社運をかける」(御手洗冨士夫会長)重要商品。同社は「すぐには無理かも
しれないが、将来は50型から40型にも商品を広げ、広く消費者にも提供する商品に育てる
考えに変わりはない」(広報)と話している。【斉藤望】
インタビューの主なやりとりは以下の通り。
--液晶テレビの大型化が著しいですが。
◆東芝も来春に50型台の液晶テレビ2機種を発売し、商品の品ぞろえを拡充する。
--50型台はSEDで行くのでは?
◆液晶に比べ数が圧倒的に少なく、話にならない。SEDで液晶に戦いを挑もうとは思わない。
画質が良く放送用などプロから引き合いが強いが、液晶とプラズマの血みどろの価格戦争に
入り込もうとは全く考えていない。長く大事に育てたい。
--キヤノンと温度差があるのでは?
◆キヤノンも今までやっていないテレビ事業を一気に立ち上げようと思っていないだろうし、
そんなことは不可能だ。
--パソコンのリチウムイオン電池回収問題で、ブランド価値への打撃など逸失利益を
ソニーに求める考えは?
◆あまり年末商戦に影響は出ていない。回収・交換の実費はソニーに負担してもらうが、
間接被害は数字にするのも難しい。そういう請求をするかどうかは分からない。
--半導体のNAND型フラッシュメモリーの値崩れが激しいですが。
◆年率40%の下落を見込んでいたが、実際には50%以上で予想以上に大きかった。ただ、
東芝は、商品が大量に作れるようになる微細化技術でライバルのサムスン電子をリード
しており、価格競争力が強まった。予定通り、08年に5番目の工場を稼働させる。立地先は
国内だが07年春に場所を決める。【斉藤望】
>>2に続く
▽News Source MSN-Mainichi INTERACTIVE 毎日新聞 2006年12月28日3時00分
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)
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