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年金を担保に融資を受け、その返済で年金が手元に残らないとして生活保護を受ける人が
相次いでいる問題で、札幌市が融資の理由を調べたところ、借金返済やギャンブル、車の購入
など、「生活費」や「事業費」以外の理由が半数以上を占めることが分かった。生活保護法では、
担保にした年金と同額の生活保護費の支給を義務づけているが、札幌市は実情に合っていない
として、減額支給を認めるよう求めて２６日に調査結果を厚生労働省に提出する。
年金を担保にした融資は、法的に唯一、独立行政法人・福祉医療機構で認められている。
同市によると１１月末現在、市内で年金担保融資利用者で生活保護を受けているのは８８世帯。
うち１５世帯が２回目、３回目以上も８世帯あった。担保になっている年金は総額１億１６４４万円に
のぼるという。
融資を受けた理由について調べたところ、「生活費」を挙げた世帯は３０．７％にあたる２７件、
「事業費」は１４．８％の１３件。これに対して「ギャンブルなど遊興に使う」「ギャンブルで作った
借金を返す」「車や家具を買う」などが約５４．５％にあたる計４８件あった。
年金担保融資利用者への生活保護費支給について、国は全額支給か支給しないかのどちらかに
するよう定めている。札幌市は１０月、年金担保融資を利用して生活保護申請が３回目の１世帯への
生活保護費を減額したとして、道から法律違反を指摘され、差額分を支払った。今回の調査の結果、
減額支給がほかにも２０世帯あったことがわかったという。
さらに、１０月の道の裁決を受け、自宅改修に融資を使い札幌市に生活保護費を減額された
別の１世帯も「法律上、自分も満額支給されるべきだ」などとして道に不服審査請求を申し立てて
いる。
市は「満額を支給する現在の制度は実態にそぐわない。年金と生活保護費の二重取りを助長
する」（保護指導課）として、厚生労働省に対して現場の裁量で支給額を決められるよう求めて
いくという。
厚労省保護課は「支給のあり方については庁内で対応を検討している。もし減額を認めると
しても、全国一律で運用できる指針が必要だ」と話している。
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