06/12/26 11:14:33 0
(>>1のつづき)
他にもガラガラの社員食堂を使わせてもらえず、プレハブ小屋での食事を強いられた
請負会社の社員、牛丼屋のバイトを3年続け、「誰よりもうまく盛りつけられる」と誇りを
持っていた仕事をバイトだからと一方的に解雇された若者……と、切ない話をいくつも聞いた。
だが、非正社員だけではない。労働の尊厳を奪うような状況は、正社員の間にも広がり
始めている。職場での陰湿ないじめがそうだ。「ダメ社員」と決めつけ「再教育」の名で業務とは
関係のない書類の廃棄作業を延々と続けさせたり、倉庫での一人だけの在庫確認を強制して
退職に追い込む。こなし切れない業務を負わされ、終わることのない仕事を強いられる。
労働相談を長年続けている日本労働弁護団は「過去に経験したことのない異常事態」と、
いじめ相談の多さに驚く。
長時間労働もそうだ。厚生労働省の調査でも30代、40代前半の男性労働者の4人に
1人は週60時間以上働いている。これは月にすれば80時間以上残業していることになり、
過労死の危険性を指摘されるラインに達する。夫を過労死で亡くした遺族はこう言った。
「残された子供は『一生懸命まじめに働いたってお父さんは死んじゃったじゃないか』と
言いました」。別の遺族は「人間として生きていけるような労働の在り方を実現してほしい」
と訴えた。
不安定な雇用の下、低賃金で働くか、正社員として死ぬまでこき使われるか。極端な
言い方かもしれないが、労働の尊厳を奪うこうした働かせ方が格差の下敷きになっている
ように思えてならない。「再チャレンジ」した先にたどりつくのが同じように命を削るような
働き方をする正社員であるのだとすれば、そこに希望は感じられるだろうか。
繰り返すが、「再チャレンジ」のシステムを作ること自体は否定はしない。だが、そこには
「人間らしく働く」という基本的な要求が満たされていなければならないと思う。それに
向き合わない、格差解消、再チャレンジの言葉はあまりにも軽く、空々しい。(以上、一部略)